生徒の感動体験が新事業を後押し

 屋久島おおぞら高校の校舎は、鳥をモチーフにしている。生徒が自分の目標を見つけ、力強く飛び立つことを願っているのだという。
 屋久島おおぞら高校は、すでにいくつかの学習塾との提携・協力関係を結んでいる。そのきっかけの一つになっているのが、同校の屋久島本校(鹿児島県)で行われている集中スクーリングに参加した生徒たちの体験文集や体験談を集めたビデオだという。学習塾などの新しい事業として通信制高校と提携してサポート校を設立し、教育活動を始めたところでも文集に書かれた感動の言葉やビデオに収められた喜びにあふれた表情が新規事業に踏み切らせる後押しをしたのだという。

マニュアルの徹底が効果をあげる

 世界遺産に数えられる雄大な自然を背景とした屋久島での集中スクーリングは、生徒に感動を呼び起こすことが多いようだ。体験談集の中にも、屋久島での自然との関わりや人との関わりを持てたことでかけがえのない時間を作れたと語られている。シナリオのない出会いが自分を見つめ直す機会を与えたくれたという。
 この一方で、屋久島おおぞら高校が学校全体のプロジェクトとして取り組んでいるのが「良い先生」の徹底的な分析。行動類型の分析、概念化、そしてそれを定型化する。いわば「良い先生」のマニュアル化だ。
 筋書きのない生徒の感動体験と「良い先生」のマニュアル化は、相反するようでいて一体のものでもあう。マニュアル化というと画一的で、少し大げさにもひびくが、別の言い方をすれば基本を忠実に実践しようということになる。生徒への声かけ、保護者への連絡など学校として当然やるべきことを着実にこなすということになる。
 屋久島おおぞら高校の生徒の卒業率は、約97 %に達する。自学自習が基本の通信制高校で、この卒業率は非常に高い。卒業まで、生徒が継続してくれること、登校してくれること、それらをあらわす継続率や登校率の高い数値がなければ、高い卒業率もない。ひいては集中スクーリングでの生徒の感動もないということになる。
 マニュアル化された基本に徹しようとする姿勢は、学習塾などの姿勢にも通じるものがあるかもしれない。いつ来ても、いつやめてもいい学習塾同様に、緊張感のない教育活動では、魅力のある教育活動は行えず、生徒の要望に応えることはできないという発想が屋久島おおぞら高校は持っている。
 「根本的には学習塾と同じ“DNA”のようなものを持っていると思います。お預かりした生徒の付託に応えるためにも、教えたい生徒は自分たちが集めてくるべきだとも思っています」(古川泰久屋久島おおぞら高校ゼネラルマネージャー)という。


●学校プロフィール
屋久島おおぞら高校
〒891−4406  鹿児島県熊毛郡屋久町平内34−2 フリーダイヤル0120−43−8940

 
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