「大学ぐらい出なくちゃ…」は捨てましょう
最近は、ご両親とか、あるいは学校の進路指導の先生方から「これからの時代は大学ぐらいは出ていなきゃだめだよ。だから、大学に行きなさい」と進学を勧める言葉を掛けられたという人が多いと思います。そして、そういう言葉に従って大学に入ってくる人も少なからずいるでしょう。
今、この記事を読んでいる皆さんは、通信制高校へ通っている人が多いことでしょう。さまざまな苦労を抱えながら通信制高校を卒業しようと勉強を重ねていると思います。
だから、大学へ入るときに、「これからの時代、大学ぐらい出なくちゃ…」という気持ちで入るのではなくて、例えば音楽が好きで、今は自分1人でバイオリンを弾いているけれど、もっと体系的に基礎からきちんと学びたいというように、これを学びたいという目的意識をもって大学に進んで欲しいのです。
働く体験を通じて自分に合った仕事を見つける
率直に言って、これから大学に入ろうという人たちのもつ1つの問題は、「就職なんて考えてもいないよ」とか、あるいは「どんな仕事があるか、よくわからないよ」とかいう人が多いことです。
だから、私たちは1年生の段階からいろいろな仕事を学生に知らせるようにしています。例えば特別養護老人ホームの職員さんなどを大学に呼んで、そういう先輩たちに職業ついていろいろな話をしてもらったり、インターンシップという就労体験に力を入れています。老人ホームに何日間か行ってお手伝いをしたり、駅前商店街のお店で一定期間働いてもらって、介護や地域振興といった現実の社会の問題を身をもって体験してもらいます。
演奏で身を立てられるのは1万人に3人しかいないが・・・
日本で1年間に音楽大学を卒業する人は1万人います。この1万人の中で、将来、自分の演奏で身を立てられる人は3人ぐらいしかいないと言われています。そのくらい厳しい世界なのです。ただ、学校で音楽の先生として生徒を指導するとか、地域社会でコーラスグループの活動をするとか、音楽を生かせる仕事というのは、たくさんあるわけですね。
それから、どんなに立派な演奏家がいても、音楽は聴いてくれる人があってこそ初めて成り立つものです。今全国に様々な劇場があって、多くの聴衆を集める素晴らしい演奏会があちこちで行われています。しかし、その公演は、1年も2年も前から専門のスタッフが検討に検討を重ねて準備してきたものなのです。
本学の音楽教育の特色は、音楽を囲むこのようなさまざまな専門家を育成できることです。これは、アートマネジメントというのですが、そういう芸術のための経営、劇場経営とか、それから、交響楽団だって維持するのは大変ですが、それをどうやって経営したらいいのかということなども学んでいきます。
技術が進歩しても“センス”が大事
音楽でも、CDを作りましょうとか、音だけじゃなく映像も見たいからDVDにしましょうとか、高度な専門的技術が必要になります。でも、CG(コンピュータグラフィック)を作る人が彫刻や絵についての素養なしに済まないように、どんなに技術が進歩しても芸術的なセンスは必要とされます。CGにだってバックミュージックが必要な時もありますから、CGを作る人にも音楽の素養が必要になるわけです。だから本学のカリキュラムでは、音楽もやり、CGも作るという相互に交流することができるようになっているんです。
応用できる力がこれから必要
今は、どんどん新しいソフトが開発され、新しい機械がどんどんできていきます。例えば職人芸のプロデューサーがいて、こういう助手が欲しいと思えばそれができる人ならパッと採ってくれても、また新しい機械ができれば、「君は、もういいよ、来ないでいいよ」と、また別の人を採ってしまう場合も考えられます。つまり、非常に技術革新の激しい時代に、今までの知識や技術があっという間に古くなって役に立たなくなってしまいます。
使い捨ての資格や技術ではなく、どんどん世の中が変わっていっても、すぐそれに対応できるような応用力が必要になっていると思います。
(談・構成 本誌)
<学校データ>
尚美学園大学
川越キャンパス(総合政策学部)〒350-1110 埼玉県川越市豊田町1-1-1
上福岡キャンパス(芸術情報学部)〒350-1153 埼玉県川越市下松原655
http://www.shobi-u.ac.jp/
尚美学園大学は、芸術情報学部(音楽表現学科、情報表現学科)と総合政策学部(総合政策学科)という2学部・3学科から成っています。芸術情報学部の音楽表現学科は「音大」のイメージ。情報表現学科は、CG・アニメや映像、それに音響なども学びます。総合政策学部は政策と行政、福祉と地方自治、国際協力と地域研究、起業と経営戦略、メディアと情報という5つのコースに分かれて生活のかかえる重要な問題をどう解きほぐし、解決していったらよいかを幅広く学んでいきます。 |