―帝京大学がどのような大学なのかを教えてください
本大学は1966年に開設以来、比較的短期間のなかで総合大学として成長してきました。この成長を支えてきたベースが、帝京の理念でもある「自分流」を育てるという考え方です。「自分流」とは、社会のなかで力強く生きていくことができるような、自立・自律できる人間ということです。その「自分流」を育てるための教育指針として、本大学では「実学」「国際性」「開放性」の3つを柱と考えてきました。
まず「実学」は、社会で実践的に役立つ技術を学ぶという部分です。例えば実業界で活躍してきた方を講師として招き、机上の勉強だけでは身につかない実践的なスキルを学んでもらうなど、「社会でどうやって生きていくのか」という点に主眼を置いた学習を充実させています。ただ、技術を修得することはもちろんですが、それだけではなく、その技術を活かすための考え方をしっかりと身につけるということを目標としています。
「国際性」も、現代の社会においては、非常に重要なキーワードだと考えています。あらゆる分野においてグローバル化が進む社会のなかで、さまざまな文化背景・思想の方と接していくことが必然的に増えてきます。そういった多様性のなかにこそ、新しいものを生み出すポテンシャルがあるのではないか、その可能性にしっかりと相対していくことのできる人間の育成が必要です。語学を学ぶだけではなく、環境に自ら身を投じていく意志を身につけて欲しいと思っています。
3つ目が「開放性」です。多様化した社会に対応していくためには、自分自身のしっかりとした主軸を持った上で、世の中には多様な見方があるということを認識することが必要です。自分のなかに寛容さをつくっていくことで、他者の視点を理解することができ、自分のシェアを広げていくことができるはずだというのが私たちの考え方です。自分を開放していくことで幅広い物の見方を獲得していくこと、これが「開放性」の目指しているところです。
この3つの教育指針は設立当時からの本大学がこだわってきた点でもあり、私たちが一番大切にしている部分です。こういう部分を大事にしている大学だと認識していただければ、本大学がどういう大学なのかをつかんでいただけるのではないかと思っています。
―大学として社会で通用する人材を育成しようという姿勢が伝わってきます。
社会に通用する人間とはどういう人間なのかを考えると、自分自身のなかでしっかりとした柱を持っていることが必要であると思っています。外的環境が変わったときにきちっと対応していく力、冷静に状況を分析して考えていく力、そういった力を蓄えていくためには、自分自身をしっかり持っていることが絶対必要です。つまり多様性に相対していく重要な要素として、自分自身を確立していくことが欠かせないということです。
そのためにも、学生時代を通じて、自分が何をやりたいのかに気づき、「こういう道にこだわってみたい」というのをみつけてほしいと思っていますし、私たちの大学で、教育の現場でも学生にうながしている内容です。基礎教養は当然必要としても、ある程度実社会で行われているものを課程に入れていくことによって、社会の仕組みを理解することに加えて、「こういう領域で生きていってみようかな」という気づきを与えることになればと考えています。学生の皆様には、どんなことに対しても、それなりに深さを持って取り組んでいくことを繰り返していただきたいですね。そのなかで「これ」と気づくものも出てくるのではないでしょうか。そういう経験ができるのも大学時代ならではのことだと思いますし、その気づきを獲得してほしいと思っています。
―卒業後の就職に向けた支援はどのように行われているのでしょうか。
就職に向けた支援としては、大学で実施しているキャリア教育やインターンシップの充実という部分に加え、2000年からはキャリアサポートセンターを設立しています。新卒者の就職相談はもちろんですが、就職・仕事に関するカウンセリングを行う部署も設けていて、卒業後の転職活動に対しても相談していただけるようになっています。
学生からのニーズもありましたし、やはり大学に対して「卒業後どういうところに就職できるのか」「就職に対して大学側はどうアシストしてくれるのか」という部分を求める傾向が高まってきたことが設立した要因でもあります。大学として学生のキャリア支援をどうしていくのかが、重要な要素だったということです。こういったサポートセンターを設置し、力を入れていくという姿勢を示したことで、大学全体が「キャリア支援に力を入れていくんだ」という共通の認識を持つことができましたし、それで大学の雰囲気も変わってきたという部分はあると感じています。
最近では卒業後に独立して社長になっている方も多いので、そういう方々を集めて後輩である現役の学生に話をしてもらう機会も設けています。その活動をもう一歩進めて、そういう方々のネットワークを構築し、やる気のある学生、独立したいという学生を引っ張り込むような動きも始まっています。
―卒業生との関わりも積極的に行っているということでしょうか
これまで同窓会活動はそれほど積極的に行ってはこなかったのですが、こういった横のつながりから生まれる情報交換は非常に有効だと改めて感じています。現在は情報が氾濫している世の中になっています。そういう情報の海から本当に使える情報を獲得していくためには、足で稼ぐことが欠かせないと思っていますし、人と人のネットワークがとても重要です。相手と直接会ってのコミュニケーションは、五感を全部つかって行います。映像を見たり書いてあるものを読んだりではほんの一部しか伝わらないですし、そこから本当のエッセンスを抽出していくのはとても難しい作業です。自分の感覚を研ぎ澄ましていくためにも、直接人と話をするということは本当に大事です。
本大学では実業界で活躍されてきた方々を教授として招き、直接学生に向かって講義をしていただいていますが、そこから得るものというのはそこでしか得ることのできない貴重なものだと思っています。
大学がキャンパスを持つ意味というのも、そこにあるのだと思います。教授と学生という関係はもちろん、大学のスタッフとの交流や学生同士のコミュニケーションなど、人と人とが出逢い、ネットワークを広げながらお互いに情報交換をしていくというところに、大学のキャンパスが存在する意義があるのではないでしょうか。
<学校データ>
帝京大学
〒192-0395 東京都八王子市大塚359(八王子キャンパス)
電話:フリーダイヤル 0120-508-739
http://www.teikyo-u.ac.jp/
「実学」「国際性」「開放性」という教育指針のもと、「自分流」の生き方を身につける教育を行っている総合大学。現在は9学部25学科5キャンパスで、約25,000人の学生が学んでいる。 |