「卒業生の声」NHK学園高校高等学校 | 古田 紗貴さん(ホンダテクニカルカレッジ大阪 2年生)
通信制高校卒業の「劣等感」が解消できた理由
自動車整備士1級を目指し4年制専門学校で整備の最先端を学ぶ古田紗貴さん。NHK学園高校を卒業しました。高卒後しばらくは、進路が定まりませんでした。言葉にすれば「劣等感」からだったと言います。その気持ちが解消されたのは、通信制高校時代の成長に気づけたからでした。
1級自動車整備士を目指し実習に励む古田紗貴さん |
もともと小学校から中学校まで人間関係で悩んでいた時期があって、月1で何となく学校を休んだり、本当に仲のいい友だちってなんだろうと悩んだり、学校というなかのコミュニティーではうまくやっていけていないほうだったんです。
私はもともと少し人と違った考えを持つことが多くて、それを言ったために一人になったり、それを否定的に思われたりしてしまうことがあって……。そう思われると、私自身もうダメだと思うくせがありました。うわべで話をするのなら大丈夫だったんですけれども、誰かと親密になりたいと思ってもどこかで相手とのあいだに壁を作ってしまうところもありました。
ただどうすればいいのかわからず、ずっと悩んでいたんです。少し環境を変えてみたいという気持ちもあって、結果的に中学から通信制高校進学を目指したのはそういうこともあったのかもしれません。
中学を卒業するときに、どうしてもみんなと違う進路に行きたくて、初めは中学を卒業したら働こうと思ってハローワークに行ったこともありました。
ハローワークに行ったときに、「高卒資格がないと生きていけないよ」という意味のことを言われ、通信制高校のことも教えてもらいました。
一方で、そのときはもう中3の10月だったので今さら高校受験しても、勉強もしていなかったので行けるところはないかもしれないと不安な気持ちもありました。
ちょうどそんなとき、母がたまたま新聞に載っていた通信制高校が気になって複数校からパンフレットを取り寄せてくれました。そのなかからいいなと思ったところのオープンキャンパスにも行きました。最終的に、卒業したNHK学園高校に行くことを決めました。
中学からの通信制高校進学は自分で決めたのですが、それを父にはなかなか言えませんでした。母には、こういう状況であまり普通の進路にしたくなくて、迷惑をかけるかもしれないけれど私はちょっと人と違うからそうやって生きていくと言ったら、母は認めてくれました。
でも、父にはやっぱり情けないと思われていたと思います……。