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「気になりますね!通信制高校」
卒業後を見越した在学中の進路指導力③
専門学校進学は柔軟さから決められたカリキュラムへ

 2025年4月15日
 

◇◇「卒業後を見越した在学中の進路指導力」(4回連載)
第3回 専門学校進学は柔軟さから決められたカリキュラムへ

◎柔軟な通信制とのギャップを意識
専門学校は「就職するための予備校」と言われます。将来、働くために必要な専門教育が総授業時間の約8割を占め、実習が中心の学びになります。宿題や課題が出る学校もあります。
通信制高校と比較すれば柔軟な選択肢はなく、あらかじめ用意された独自カリュキュラムで勉強します。融通のきく通信制高校と比べると大きなギャップがあります。




また、表1で見るように就職した人のうち関係分野に就職する人は92%(2022年度)と高い割合となります。学ぶ内容と仕事内容の相関がはっきりしています。卒業後の職業として看護師、歯科衛生士などが想定される医療分野の女子卒業生などは99%が関係分野に就職しています。
この点からも専門学校卒業後の就職を真剣に考えた学校選択が肝心なことになります。
その実現のために①毎日通学できるのかどうか、②就職先の内容が自分に向いているかどうかーなど自分と向き合うことが専門学校選びで肝心なところです。

◎一般学生に比べると高い退学率







表2の専門学校進学者(各種スクール含む)の卒業後の経過を見ると、卒業2年後の2022年度卒業生は「在学中」が51%を占めています。この一方「卒業した」という回答者が33%を占めました。前回23年度調査では調査時点(卒業後1年8~10カ月)で「卒業した」という回答者は4%でしたから24年度調査の回答者は1年制の専門学校・各種スクールなどに進学した卒業生が一定数あったようです。

退学した人は、22年度卒業生は16%、17年度卒業生は20%となっています。専門学校退学率は6~7%とされますからそれに比べると高い退学率となります。これは23年度調査結果とほぼ同様となりました。

退学した人の現在の状態を見ると、「何もしていない」状態の人は卒業2年後現在で39%、7年後現在29%となっています。卒業2年後の人からは「専門学校に進学しましたが学校環境の変化などで体調を崩してしまい退学しました。その後は車の免許の取得や約半年間のアルバイトを経て今は就労移行支援に通ってます」と通信制高校時代とのギャップで退学したものの次への準備をしている人も目立ちます。自動車免許を取得中という人は複数ありました。

専門学校を2年生途中で退学した卒業生の保護者からは卒業校での高校生活への感謝を述べた後「欲を言えば、卒業後のイメージをより具体化できるようなプログラムをお願いしたいです」と母校への要望がありました。
一方、卒業7年後の人からの自由回答記述は少ない結果となりました。

それでは、専門学校を卒業した人たちはその後どうなっているでしょうか。
表3は、卒業7年後時点で聞いた17年度卒業生、16年度卒業生の調査結果から見ています。卒業まで至ったのは17年度 77%、16年度 78%でほぼ同率です。
卒業後7年後現在の状況を見ると「在職中」が17年度 80%、16年度 78%と多数を占めています。17年度卒業生からは母校への要望として「就職支援が必要。同級生の無職やアルバイト率が懸念を覚えるほど多い」という指摘がありました。
約8割の卒業生が在職中である一方で「何もしていない」状態の人が17年度12%、16年度14%と少なからずいます。

今回は、「専門学校進学は柔軟さから決められたカリキュラムへ」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回は「就職でスキルと職業観が身につく、転職もあり」についてご説明します。
次回もどうぞよろしくお願いします!