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「気になりますね!通信制高校」
通信制高校が増えて変わった点はなに?③
「行ける学校」と「行きたい学校」

 2023年11月9日
 

◇◇通信制高校が増えて変わった点はなに?(3回連載)
第3回 「行ける学校」と「行きたい学校」

◎「行きたい学校」選びは手間がかかる

学びリンクの通信制高校合同相談会では、毎回「体験談を聴く会」という通信制を選んだ在校生や卒業生の学校選びの様子をインタビュー形式で聴いています。

「通信制しか行けないと思ったので…」
通信制高校を選ぼうとするきっかけは、こんな言葉がよく聞かれます。

不登校だったから、体調が悪く学校に行けなくなったから、周囲との人間関係に耐えられなくなったからー。と、その言葉の背景にはいろいろな理由が見えます。

「通信制しか行けないと思ったので…」
そう思ったころは、先の見えないどん底に近い気持ちだったのかもしれません。
その気持ちの状態から人前で、自らの体験談を聴いてもらおうという心持ちになるにはかなりの飛躍があったようです。

体験談を聴く会の終わりに、よく「会場の皆さんに伝えたいことがありますか?」とたずねています。
「行きたい学校を選んでください。ご家族の方は、色メガネで見ずに応援してあげてください」。返ってくる言葉のなかに共通して感じるものです。

その言葉を聴くたびに、学校選びには「行ける学校選び」と「行きたい学校選び」の2種類の要素が入っているように思います。

「行ける学校選び」の方が簡潔にことが済むかもしれません。「(君の成績なら)こことここは行けるよ」と範囲を絞り込んでから、次にその特徴などを調べて自分に合う学校を選択するというステップを踏めます。
一方、「行きたい学校選び」は手間がかかるかもしれません。通信制高校はこちらに属すると思います。

「通信制しか行けないと思ったので…」と選択肢がないと思って見たとしても、いざ見れば選択肢はかなりあります。
たいていの人が「ありすぎて、どこを選んでいいか最初はわからなかった」というぐらいに選択肢が豊富です。

通信制高校選びのプロセスは、自分の気持ちを整理するプロセスになるようです。自分が何をやりたいか(あるいはやりたくないか)をすり合わせながら選んでいきます。

体験談を聴く会の「行きたい学校を選んでください」という言葉には、自分で選んだ学校で過ごしたからこそ得た自信を感じます。

◎空白地帯がなくなってきた通信制高校

2024年4月に開校する通信制高校もだんだんとはっきりしてきました。まだ現状では予定となりますが、学びリンクの調べでは私立通信制高校11校、公立通信制高校1校の12校が新設されます。

22年度14校(公立1、私立13)、23年度15校(すべて私立)と3年連続で10校以上の新設校があるのは16年ぶりのことです。

開校地は、東北、関東、東海、近畿、四国、九州と各地域にわたっています。全国的に通信制高校へのニーズが高まっている様子がわかります。
これまで、1校しか私立通信制高校がなかった静岡県に3校同時に新設されます。

23年度新設15校のうち、10校は全日制課程をもっている高校が新たに通信制課程を開設する、いわゆる併置校(※)でした。この傾向は、24年4月開校予定校にも見られ、8校が併置校となっています。

併置校は、一旦全日制に入学したもののその環境が合わない生徒のために柔軟な通信制がその受け皿になる場合と、それまでと異なる生徒層を通信制で募集する場合があります。

通信制高校の空白地帯がだんだんとなくなってきています。
このシリーズ1回目でもお伝えしましたが、2000年度の通信制高校は113校(公立69校、私立44校)でした。この当時は保護者世代の皆さんの高校選びに近い時期になるかもしれませんが、ほぼ空白だらけでした。

24年4月には約300校となります。通信制高校は、今、地域も、学ぶ内容や学ぶ形態も、まさに多様な選択肢となりつつあります。

※私立通信制高校認可校=当該自治体が認可した高校。上記の場合は、徳島県知事、富山県知事が認可した高校。
※併置校=全日制や定時制とともに通信制も開設している高校。通信制課程のみの学校は独立校と言います。


今回は、『「行ける学校」と「行きたい学校」』についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回からは新シリーズ『通信制を選んでどうだったの?』についてご説明します。
次回もよろしくお願いします!