通信制高校に関する用語解説
通信制高校の生徒数
用語:公立・私立通信制高校の生徒数、学年次別生徒構成比
●高校生の約16人に1人は通信制高校生
通信制高校の生徒数は、公立私立あわせて約18万から19万名で推移してきましたが、2020年度は206,948名と初めて20万名を超えました。この生徒数は、各年度の5月1日現在の在籍生徒数となっています。20年度の男女比は、男子が約51%、女子が約49%となっています。
公立通信制高校に55,427名、私立通信制高校に151,521名の生徒が在籍しています(2020年度)。公私比率は、3対7程度になっています。
通信制高校は、転入学や編入学など年度途中入学の生徒が多いという特徴がありますから、この生徒数は年度末には約2万名から3万名の増加があり20万名台前半の生徒数となります。
【通信制高校の生徒数推移】
・2020年度 206,948名
(男子105,833名,51.1%、女子101,115名,48.9%)
・2019年度 197,779名
(男子102,014名,51.6%、女子95,765名,48.4%)
・2018年度 186,502名
(男子97,307名,52.2%、女子89,195名,47.8%)
・2017年度 182,515名
(男子96,403名,52.8%、女子86,112名,47.2%)
・2016年度 18,1031名
(男子95,813名,52.9%、女子85,218名,47.1%)
※文部科学省「学校基本調査」より作成
2020年度で見ると、高校生全体の生徒数は3,290,035名となっています。内訳は、全日制高校3,003,890名・構成比91.3%、定時制高校79,197名・同2.4%、そして通信制高校が206.948名・同6.3%というようになっています。高校生の約16人に1人が通信制高校で学んでいることになります。
定時制高校より通信制高校の生徒数が多いのを意外と思う保護者の方も多いのではないでしょうか。保護者世代のみなさんが高校進学を考えた当時は、通学圏内にあった高校は全日制と定時制という場合がほとんどだったと思います。
地域のいわゆる伝統校には全日制、定時制を併置している高校が多く見られましたから、この両課程の存在は自然に知る機会が多かったでしょう。
ところが1990年代までは、私立通信制高校の学校数は現在の4分の1以下で、県内に私立通信制高校がないというところが多く、公立通信制高校も県内に1校という地域がほとんどでした。
通信制高校の存在を知る機会は、最近までとても少ないものだったと思います。ですから、“新しいタイプの高校”としてじっくりと見てもらうことが良いかもしれません。
●学年がすすむにつれて構成比が高くなる
私立通信制高校の学年次別生徒構成比は転編入生が柔軟に入学できることもあって次のように3年次生の比重が高い傾向にあります。私立校に比べると、公立校は4年次生もかなりいることがわかります。
【私立通信制高校の学年次別構成比】
(2020年度)
1年次 25.7%
2年次 33.3%
3年次 40.4%
4年次 0.6%
【公立通信制高校の学年次別構成比】
(2020年度)
1年次 24.4%
2年次 26.9%
3年次 23.1%
4年次 25.7%
※学びリンク調べ
同級生に遅れずに高校卒業時期を迎えたいというのは転入生の要望として高いものがあります。
私立通信制高校はほとんどの場合その要望を実現していますが、人によっては4年、あるいは5年程度の時間をかけてじっくりと実力をつけてから高校卒業する道もあることも考えてみてもいいのではないでしょうか。