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2020年02月26日

『自分らしく歌うがいい』著者 毛利直之さん講演(東京・新宿区)

 

民音音楽博物館が主催する不登校支援フォーラム「民音文化講演会」が2月24日(月)、東京・新宿区で行われ、福岡県の音楽学校「C&S音楽学院」の毛利直之学院長が講演を行いました。

 

 

手嶌葵など20年で11名がデビュー

音楽で自己肯定感を高める

 

C&S音楽学院は、九州で初めて高校卒業資格を得られる音楽学校として2001年に開校。これまで約20年で11名のメジャーデビュー者を輩出しています。スタジオ・ジブリ作品「ゲド戦記」の主題歌を歌う手嶌葵さんや、2017年に日本レコード大賞新人賞を受賞したNOBUさんも卒業生の一人。

 

もともとプロ育成のために中学卒業から進学できる音楽学校を開校した毛利さん。しかし、入学者の中には、不登校をはじめ様々な理由で他の高校へ進学できない生徒たちの存在もありました。そうした生徒たちと真正面から向き合った20年。「子どもたちが抱えている問題は、社会が抱える問題そのもの。変わるべきは大人たちのほう」だと考えた毛利さんは、生徒たちの自己肯定感や自尊感情を高めていくことを第一に学校運営に取り組んだと話します。

 

音楽のレッスンを始めてわかったことは、表現するには自分の良さや強みを伝える自己分析から始めなければいけないということ。「ありのままの姿を引き出す教育的効果が音楽にある」と確信。音楽を通して自らの喜怒哀楽を分析し、その想いを解放・表現したうえで、それが共感されるというプロセスを経て、子どもたちの自己肯定感や自尊感情が高まっていくと説明しました。

 

 

卒業生で歌手の小田夢乃さん

「聞こえなかったものが聞こえるように」

 

 

また、この日は卒業生で、現在東京で活動する歌手、小田夢乃さんも登壇。小田さんは2年時、学内で行われた音楽祭で成長した同級生の姿を見て一念発起。真剣にレッスンに取り組んだことで「これまで聞こえなかったものが聞こえるようになった」と話します。この経験を通し、「それまではメジャーデビューという結果がすべてだと思っていた。しかし、そこに行きつくまでのプロセスが大事だと思うようになった」と当時を振り返りました。この日、小田さんは学院時代の思い出を語ったほか、自身の楽曲、2曲も披露しました。

 

小田さんをはじめ、様々な生徒と向き合ってきた毛利さん。子どもをどう理解し、アプローチを図るのか。毛利さんは、具体的な場面を用いながら、時に笑いを交えてわかりやすく解説していきました。

 

例えば、親子の会話では、親が社会の常識や価値観を押し付けてしまいがち。子どもの「わかった」は逃げの言葉であり、親はそれを真に受けてはいけないと話します。そこで、毛利さんは「オウム返しの実践」を聴講者にアドバンス。「学校へ行きたくないんだね」などと肯定のやりとりを中心にコミュニケーションを図っていくことが大事だとしました。我慢できず、途中で矢継ぎ早に質問してしまうのではなく、自然と子どものほうから本音を話し出すことを待つことだとしました。

 

また、毛利さんはシチュエーションを夫婦の会話に置き換えることでよりわかりやすく説明。「妻が夫に相談する時は意見が欲しいわけではない。わかって欲しい、大変だねと言って欲しいと思うはず。同じように子どももお母さんに“わかって欲しい”と思っている」と伝えました。

 

 

孤立する母親とつながって欲しい

 

 

一方で、「お母さん自身もわかって欲しいと思っているはず」と毛利さんは続け、「これほど子育てが大変な時代はない。仕事をしていたら子育てや教育について考える暇もない」と、母親たちの現状に理解を示しました。

 

最後に、毛利さんは「理解者が一人でもいれば壊れなくてすんだ家庭もあったはず」としたうえで、「講演会場に足を運んでくれるお母さんは問題意識が高い。来場者の方には、どうかここに来られず孤立するお母さんとつながって欲しい」と聴講者に訴えかけました。

 

この日は約120名が来場し、真剣に毛利さんの講演に耳を傾けました。毛利さんは九州を中心に精力的に講演活動を続けています。講演内容のベースとなっている著書『自分らしく歌うがいい』は学びリンクより出版されています。

 

 

『自分らしく歌うがいい』~不登校なんかで壊れるな「家族」~

著者:毛利直之(C&S音楽学院 学院長)
発行:学びリンク
定価:1,200円+税
 

2020年3月15日(日)東京新宿「通信制高校・サポート校 合同相談会」