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「気になりますね!通信制高校」
これから通信制高校を選ぶ人に覚えていてほしい8つのこと
①快適な居場所と通信制教員の資質とは

 2025年9月1日
 

◇◇「これから通信制高校を選ぶ人に覚えていてほしい8つのこと」(4回連載)
第1回 快適な居場所と通信制教員の資質とは

◎自由に選べる学校

2025年度通信制高校の生徒数数が305,221人(5月1日現在)となり30万人を超えました。これは、文部科学省が毎年発表している学校基本調査によるもので、5月1日時点で30万人を超えるのは初めてです。
24年度より約1万5千人増えており、高校生全体に占める割合9.6%、約10人に1人が通信制で学んでいます。

《2025年度通信制高校関連の指標(生徒数、学校数など)はコチラ

私は、通信制高校のメリットを「自分のペースで学校生活を組み立てられる」ことだと思っています。
「(自分に合わせた)時間が設計できる」とも言っています。例えば通学日数は、全日制高校のように週5で通うこともできます。その日数を週3や週1とすることも、年に4日間から1週間程度にすることもできます。

学習内容は、英数国などの高校普通科目もありますが、資格系、クリエティブ系、芸術系などむしろそれ以外も多彩という学校もあります。
また、学校外の生活、例えばアルバイト、芸能やスポーツでプロとなるためのレッスンやトレーニング、海外留学、自宅中心に気持ちや体調を整えるーなどといった学校外の生活と学校生活を両立させることもできます。

大学や全日制高校などと異なりリソースの多くを入試選抜にかけることもありません。入試は面接と作文中心が通信制高校の共通項です。
つまり、しっかりとした入学意志が示せれば自由に学校を選べる場合が多いのです。しかも個性的で多彩な学ぶ内容をもった学校の中から。


◎覚えておいてほしい8つのこと

これから4回にわたってご説明するのは通信制高校をこれから選ぶ皆さんに覚えておいてほしい8つのことです。1回あたり2項目ずつ説明していきます。
特定の学校の内容というより、ほとんどの通信制高校が目指している方向と言ってもいい内容です。その方向を感じてもらいながら気になる学校を見てもらうと自分に合う学校選びの精度が上がると思います。

『通信制高校をこれから選ぶ皆さんに覚えておいてほしい8つのこと』
※今回は、1と2を説明します

1. 快適な居場所を選ぶ
2. 親身な教員と指導力のある教員

3. 不登校、起立性調節障害、発達障害への支援
4. 女子生徒に期待される学びの場
5. 学費(教育費)無償化への対応
6. 全日制高校とのイコールフッティング
7. 進路決定率を高める
8. 卒業後を見越した在学中進路指導と卒業生支援


◎快適な居場所と通信制教員の資質とは

通信制高校の多くが快適な居場所づくりを進めています。それは、これから学校を選ぶ皆さんには案外ピンと来るものです。たまたま訪れた学校見学での生徒の視線や来校者へのあいさつ、先生と生徒との会話やその雰囲気など。校風と言ってもいいかもしれません。そこに自分が溶け込めそうかどうかが見える場合があります。
快適な居場所は、自分を尺度にした自分がありのままでいられる居場所と言えます。通信制高校選びにはこの感覚は最重要事項と言えるかもしれません。

次に通信制高校にふさわしい先生とはどんなタイプでしょうか? 私が実施したある通信制高校を対象とした通信制高校生徒を子どもに持つ保護者の方々へのアンケート調査結果があります。
先生の資質を問う設問に「指導力がある教員が多い」「親身な教員が多い」という2つを設け、3択(そう思う、どちらとも言えない、そう思わない)で答えてもらいました。

その結果が下記の回答です。「指導力ある教員が多い」に対して、そう思うと回答した人は9.7%でした。設問は12問あったのですが、肯定的な回答が10%を下回ったのはこの設問だけでした。
一方、「親身な教員が多い」はそう思うと回答した人が27.6%でした。こちらへは肯定的な反応が高くなっています。


特定の学校を対象としたアンケートの性格からどちらとも言えないという回答比率が高くなっていますが、逆に言えばわが子を通信制高校に通わせる保護者にとって通信制高校にふさわしい教員の姿が垣間見える結果になっていると思います。

私が尊敬する通信制高校関係者の一人に学校法人つくば開成学園の糸賀修理事長がいます。1法人で6校の通信制高校を開設しています。1法人6校は最も多い開校数です。 その糸賀先生にあるとき、通信制高校教員の資質としてふさわしいのは? と聞いてみたことがあります。答えは次のような言葉でした。

「小学校の先生のように一緒になって教えて、ときに遊んであげる人。教員自身もそれを楽しめる人。楽しんでやれる人は“疲れない”」。 教科指導、生活指導などの指導力のある先生もいいですが、まず確認すべきは「親身な先生」の存在でしょう。その存在は、「快適な居場所」にも通じています。

今回は、「快適な居場所と通信制教員の資質とは」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回は、「不登校支援と女子生徒からの期待」についてご説明します。
次回もよろしくお願いします。