「気になりますね!通信制高校」
どうなる!? 2026年度からの通信制高校②
教育の質向上の前に必要な方策
2026年5月11日
![]() |
◇◇「どうなる!? 2026年度からの通信制高校」(2回連載)
第2回 通信制高校からの多様な進路
◎10年後高校生の20%が通信制!?通信制高校生徒増の背景の一つにコロナ禍で従来の通学を前提とする学校生活を回避する傾向が影響したと見られます。
例えば、「自宅におけるICT等を活用した学習活動を出席扱いとした小・中学生数の推移」(文部科学省)を見ると、19年度までは小中合わせて600人以下だった人数が22年度から23年度は1万人を超えるまでになっています。これが手段を講じれば、学ぶ場所の制約は回避できるという経験になり、この経験は通信制高校に通じるものになったとされます。
また、同じ時期、コロナ回避による長期欠席者は最も多かった21年度では小中学生59,316人となっています。この年の不登校、病気などを理由とする長期欠席者413,750人の14%を占めています。選択的に長期欠席者となった人がこれだけいます。

通信制高校全体の生徒数はコロナ禍時期を含めてここ数年顕著な伸びを示しています。過去5年間で見ると、前年度との比較では21年度11,411人、22年度19,878人、23年度26,707人、24年度25,113人、25年度15,110人とそれぞれ前年度を上回っています。過去5年間平均では19,600人あまりが毎年増加してきたことになります。
仮にこれから毎年15,000人程度の生徒増があった場合、通信制高校生が高校生全体に占める割合は、10年後の37年度に現在の10%から20%に倍増することになります。そのとき、通信制高校生は現在の30万5,000人から48万5,000人となります。倍増ではなく1.6倍です。なぜなら高校生全体は317万人から246万人に71万人減少するからです。三分の一減少となります。
通信制高校生が20%を占めるような状況、つまり通信制高校が少子化のなかで社会的評価を受けるための方向は、文科省がまとめている「通信制高校ガイドライン」などでも示されています。
◎社会的評価を得るための方向
通信制高校がこれから具体的に目指す方向は、“教育の質の向上”と言われる手厚さです。この方向を本校ばかりでなく通信教育連携協力施設と言われるスクーリング等実施施設やサポート校など各所で実現することが求められます。
通信制教育連携施設の施設数を文科省は25年度の学校基本調査で初めて発表しました。それによると全国に3,730か所あり、内訳はスクーリングのできる面接指導等実施施設が1,584か所、サポート校に代表される日常的な居場所にもなっている学習等支援施設が2,106か所、その他40か所となっています。
360校弱になる本校を加えれば、約4千か所になります。全日制高校の学校数約4,600校と比べても数では遜色ないレベルになりますが、選択肢となるための情報の公開性で欠ける部分があります。スクーリングのできる会場かどうか、学費、学習形態、単位修得の考え方、進路実績など適切に学校を選べる情報公開性は十分と言えません。情報の公開整備は課題となっています。
《通信制高校が社会的評価を受けるための方向》
①教員配置の充実(学び直し支援や学習方法再形成にも対応)
②養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置
③特別支援教育コーディネーターの指名
④進学・就職支援担当者やキャリアカウンセラーの配置 など
①教員配置の充実(学び直し支援や学習方法再形成にも対応)
②養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置
③特別支援教育コーディネーターの指名
④進学・就職支援担当者やキャリアカウンセラーの配置 など
また“質の向上”を現実とするためには、単純ですが必要資金の確保が課題になります。高等学校等就学支援金が拡充され高校授業料無償化が進んで学校選択がより柔軟に行えるようになりましたが、これはあくまで教育のユーザー側(生徒・保護者)が対象です。質の向上は、教育の供給者側(学校)の課題と言えます。
この課題解消には財政支援も必要になると思います。通信制高校の振興をうたう「高等学校の定時制教育及び通信教育振興法」(定通振興法)も現状に合わせた改正の必要性が高いでしょう。
今回は、「教育の質向上の前に必要な方策」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?
次回からは新シリーズは、「授業料無償化以外の学費減免はどうなるの?」についてご説明します。
次回新シリーズもよろしくお願いします。

