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「気になりますね!通信制高校」
出願開始間近の「高卒認定試験の現状」

 2021年4月1日
 

◇◇出願開始間近の「高卒認定試験の現状」◇◇

◎16歳以上の人なら誰でも受験できる高認
高等学校卒業程度認定試験、受験生のあいだでは高認と呼ばれています。前身の「大検」(大学入学資格検定)制度を改正して2005年度から実施されています。高認に合格すれば、大学や専門学校進学、国家公務員採用試験などの受験資格が得られます。

2020年度は、コロナ禍ということもあり例年2万人前後の受験者数は16,654人と前年度に比べ約15%減少しました。
試験は、年2回8月と11月に各2日間に渡って実施されます。21年度第1回試験は8月12日、13日に実施され、4月5日から都道府県教育委員会などで受験案内配布が始まり、出願も5月10日まで受け付けられます。

高校卒業と同等の学力のあることを文部科学省が認定する試験で、試験を受ける年度末の3月までに16歳以上になっている人なら国籍などを問わず誰でも受験することができます。高校中退した人や高校進学しなかった人をはじめ、全日制、定時制、通信制各課程の高校在学中の生徒なども受験しています。

試験会場は各都道府県に置かれ、受験しやすい会場を選べます。11月の高認受験生も翌年1月に実施される大学入学共通テストを受験することができます。

受験科目は、高校での単位のない人は8科目を基本に選択によっては9から10科目を受験します。すべての科目を一度に合格しなくても、科目ごと合格が認められています。

高校などで単位のある人、英検準2級以上など資格を持っている人は、受験科目の免除があります。高1を修了している人なら免除科目があるため受験科目は3科目程度とされます。ただし、すべての科目免除はできないため、1科目以上の受験と合格が必要になります。
《高認の試験科目と合格要件》
教科 試験科目 科目数 要件
国語 国語 1 必修
地理歴史 世界史A、B 1 2科目のうちいずれか1科目必修
日本史A、B 1 4科目のうちいずれか1科目必修
地理A、B
公民 現代社会 1または2 「現代社会」1科目または「倫理」及び「政治・経済」の2科目のいずれかを必修
倫理
政治・経済
数学 数学 1 必修
理科 科学と人間生活 2または3 以下の①、②のいずれかが必修
物理基礎 ①「科学と人間生活」の1科目と「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち1科目(合計2科目)
②「物理基礎」、「化学基礎」、「生物基礎」、「地学基礎」のうち3科目(合計3科目)
化学基礎
生物基礎
地学基礎
外国語 英語 1 必修

◎通信制高校の科目履修制度も合格に一役
高認は、合格すれば高校卒業同等の資格が手に入ります。最短の時間で有用な資格が手に入るほかにはない試験制度です。

20年度は受験者の46%が合格し、約5割が1科目以上の合格をしています。1科目以上合格している人で苦手科目があって不安な人や、不合格科目があるもののできるだけ早く合格したい人には、通信制高校の科目履修制度が高認合格に一役買っています。

通信制高校の科目履修制度は、高校卒業することを目的とするのでなく、特定の科目だけを学びその単位を修得することです。この科目履修で得た単位は、高認の科目合格として認められていて、これによって高認全科目合格ができます。科目履修制度は多くの通信制高校で実施されていて、中には短期間のコースも開設されています。

高認の科目合格を高校卒業単位として20単位程度認定している通信制高校もあります。
主要大学の「高認出身者」合格状況(学びリンク調べ)からは国公立大学や私立難関大学へ進学している人も数多くいるのがわかります。

今回は、出願開始間近の「高卒認定試験の現状」についてご説明しました。

次回は存在感を増している通信制高校が開設する「中等部」(フリースクール)の実情についてご説明します。
次回もよろしくお願いします!