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「気になりますね!通信制高校」
どうなるの?通信制高校卒業後 ー卒業生約1,600人調査結果から見えたものー②
卒業後の進路変更は「あり」で考える

 2022年4月1日
 

◇◇「どうなるの? 通信制高校卒業後」ー卒業生約1,600人調査結果から見えたものー(4回連載)
第2回 卒業後の進路変更は「あり」で考える

◎大学進学指導に「ミスマッチ」あり!?

今シリーズ1回目でご紹介した新しい学校の会が実施した通信制高校卒業生1,600人調査を見ると卒業後から現在に至る経過がわかります。
この調査は、卒業時の状況を「進学(留学含む)」「就職」「進路未定」3分類として、卒業後2年後(2019年度卒業生)、7年後(2014年度卒業生)の現在までの経過をたどっています。

今回のテーマは、「卒業後の進路変更は“あり”で考える」。ちょっと不穏な雰囲気があるかもしれません。高校卒業して一定の進路が定まれば、親御さんならその道を進んで欲しい、本人ならこの道を進もうと思うでしょうから。

ところが、調査結果からは卒業後の数年間でかなりの進路変更が見られます。実情から言えば、進路変更を経た後のことも考えて進路変更しているかが重要となります。



卒業時進学(大学、専門学校など)だった人の卒業から2年間の経過を見ると、調査時がまだ丸2年はたっていないために約83%の人が在学中なのですが、退学した人も約12%となっています。大学進学後の中退率は2~3%、専門学校では約14%と言われますから、低くはない結果になっています。

さらに、卒業時進学だった人の卒業から7年間の経過を見ると、約70%は卒業しているのですが、退学率は約21%と、卒業2年後の倍近くになります。これは、4年制大学に進学した人の退学がこの間にあったものと見られます。

卒業7年後の人の自由記述回答を見ると、中退理由には体調不良・療養中という理由が多く、メンタル面の課題があったという回答も目立ちます。 大学選択時にミスマッチがあったのではないかと推察されます。ミスマッチの環境のなかで我慢し続けた背景がありそうです。

私立通信制高校の中には、大学等への進学に力を入れる学校が近年増えてきました。いわゆる進学率や合格実績も上がってきています。進学率や合格実績は学校選びの指標の一つにはなりますが、今回の調査結果を見るとミスマッチを避けるためには進学指導の中身を知って通信制高校選びをすることも肝心です。

単に“有名”“難関”などの理由での大学選びではなく、将来のためにどんなことができるかまで含めた進学指導でないと、一人ひとりにとっては意味のないものになります。つまり、将来を見据えて大学の学部・学科の内容、さらに言えば教授陣や学生生活の相談体制まで把握した受験情報を持っているのが理想的です。

そういうしっかりとした受験情報を持っている学校(先生)に相談してみると、大学等のことばかりでなく、自分がやりたいと思っていることも不思議と具体的になっていきます。自分が気づかなかったやりたいことが、その受験情報からピンと来ることもよくあることです。 大学を知るばかりでなく、自分のことも知る機会になる。いわば一石二鳥です。

◎社会でもまれた分「後輩を思う」



次に卒業時就職だった人の2年後、7年後までの経過を見てもらいます。
卒業時就職だった人の2年間の経過を見ると、75%の人は在職中ですが25%の人は退職しています。
さらに卒業7年後の人は、約44%が退職していますが、どちらも退職後は転職やアルバイトなどへ進路変更できているように見えます。

退職については、高卒で新卒採用された若者の4割近く、大卒者で3割程度が3年以内に仕事を辞めている現状がありますのでその範疇かと思います。労働環境もそれほど良くないことを考えると、転職などにより自分に合った環境変更を考えるほうが良い場合もあります。

卒業2年後の人の自由記述回答を見ると、転職報告になっている場合もあります。「卒業後、就職した介護職の仕事は昨年やめました。現在は、引越センターで正社員として働いています」「キャディーとして就職したが、劣悪な勤務を求められ転職した。しかし、キャディーは楽しく別のゴルフ場で楽しく元気にがんばっています」「就職先はコロナで閉店。現在はスナックでがんばっています」―などです。

卒業7年後の人の自由記述回答を見ると資格や技能をもった人たちの転職・再就職の前向きな姿勢がうかがえます。例えば「卒業後結婚・就職し、個人事業主となり美容師を続けている」「3人のママになり動画編集をしつつエステの勉強中」「結婚・出産し、ネイリストからは一度離れ来年からまたネイリストに戻る」「前職で取得した資格を生かし建設機械を操作しています」―などの記述が寄せられています。

卒業時就職した人は、退職しても転職・復職に動く傾向にあります。「何もしていない」層の比率は相対的に低く、前向きな姿勢がうかがえます。早くから社会でもまれていることで、後輩にあたる在校生に身につけてほしいことを母校に要望する人もいます。

母校への要望として次のような回答が寄せられています。
「声優になりたい、俳優になりたい、ダンサーになりたい等狭き門を目指す生徒さんが多数いるかと思います。さまざまな理由で夢を諦め、別の道に進もうと決めた生徒さんに就職や進学、さまざまな道があることを教えてあげて欲しいです」
「自由な校風が気に入っていたので続けてほしい。社会に出た時必要だと思ったので、マナー講座などを在校生にやってあげてほしい」

今回は、「卒業後の進路変更は“あり”で考える」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回は、「“何もしていない”比率が目立つ進路未定者」についてご説明します。
次回もよろしくお願いします!