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「気になりますね!通信制高校」
どうなるの?通信制高校卒業後 ー卒業生約1,600人調査結果から見えたものー④
卒業生アプローチの先進事例校

 2022年5月16日
 

◇◇「どうなるの? 通信制高校卒業後」ー卒業生約1,600人調査結果から見えたものー(4回連載)
第4回 卒業生アプローチの先進事例校

「社会で活躍できる人づくり」をビジョンにー
第一学院高校が進める卒業生動向調査


新しい学校の会が実施した卒業生アンケート調査には、実は実施モデルがありました。第一学院高校が6年間にわたって実施してきた卒業生動向調査です。通信制高校卒業生の卒業以後の状況を把握してきた唯一の事例と言えます。
卒業生動向調査の実施背景やそこから分かってきたこと、そして在校生と卒業生への波及効果などを、中心になってとりまとめている第一学院高校キャリアサポートセンターの青山真理室長に聞いてみました。


第一学院高校
キャリアサポートセンター室長
青山 真理 さん


◎25歳をベンチマークに自立支援

第一学院高校は「社会で活躍できる人づくり」をビジョンに、16歳で高校入学した生徒が10年後の25歳を、一旦ベンチマークにした在学中から卒業後の社会自立支援を行っています。

これまで数年間に亘って卒業生動向調査を行ってきたことで、卒業後の進路経過が分かってきました。卒業時に進路未定のまま卒業してしまった卒業生の約半数近くが、25歳でも何もしてないということが見えてきました。

今年度はコロナ禍でオンライン調査だったので約400人の回答数だったのですが、例年は3,500人ぐらいの回答数を元に見てきた結果、それが定説になってきました。ですから、卒業時に進路未定者を出さないとか、元々不登校やひきこもりを経験した子たちが入学してきたときから、その子たちの特性を早く見極めて、進路指導していくことが大事だと分かってきました。

◎キャリアサポートセンター浸透の工夫

6年前にキャリアサポートセンターが設立された目的の1つとして卒業生動向調査が始まり、25歳をベンチマークにした関係で、まず卒業後7年後までの追跡調査を行うために、その間の卒業生の約半数にヒアリングしました。その翌年は残りの約半数の卒業生を対象として、調査対象母数は毎年7,000人ぐらいです。その50~60%の回答率の調査ができて、3,000~4,000人弱ぐらいの卒業生動向データを元に仮説を立てています。

動向調査は5月から8月までが調査期間で、9月に速報を出します。9月以降に相談の電話やメールなどが多くなってきます。時期的に進学、就職とも動きやすい時期ではあるので、きちんと1年ごとに対応するようにしています。

キャリアサポートセンターの存在は、卒業式にチラシを配ってもらっています。どうしたらいいのだろうともんもんと悩んでいるところに動向調査の電話が入って、今どうされていますかとか、ご本人の希望はどうですかとか聞かれて、ああそういえばとチラシを引っ張り出してきて相談スタートというケースもあります。

また、卒業生には卒業年度の年末から卒業式までの2~3か月かけてキャリアサポートセンターのLINE登録をしてもらって、こちらからの発信が届くようにしています。イベント情報なども流すのですが、その中の一つとして卒業生動向調査も流しています。