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「気になりますね!通信制高校」
どうなるの?通信制高校卒業後 ー卒業生約1,600人調査結果から見えたものー④
“何もしていない”比率が目立つ進路未定者

 2022年5月16日

◇◇「どうなるの? 通信制高校卒業後」ー卒業生約1,600人調査結果から見えたものー(4回連載)
第4回 卒業生アプローチの先進事例校②


◎本部部署が統括するメリット

私自身は、富山や静岡でキャンパス長としてたずさわっていました。第一学院を統括する㈱ウィザスの東京本部に第一学院キャリアサポートセンターが発足したと同時に現職となりました。

キャンパスでは、卒業生も生活に変化があったとき、例えば就職決まったよとか、結婚するよとか、子どもが生まれたよとかみたいな連絡はくれるんですね。でも、全く連絡がない層もいます。どうしているか心配なところです。

ただ、キャンパスでは在校生がいますから、そういう卒業生までにはなかなか手が回らないところです。それを本部として卒業生とのつながりが維持できればすてきなことだなと思いました。

卒業時に進路未定だった卒業生も、卒業生動向調査を通じて半数はキャリアサポートセンターに状況が入って来ます。だいたい、成人式が一つのきっかけでみんなと会うから自分が変わろうと思うとか、あとは大学卒業する22~23歳とかでもアクションが起きます。

進路未定だった卒業生の半数は相談が来ますが、残った半数は動向調査自体につながらなかったり、病気療養中だったりする場合もあります。卒業後に電話番号が変わってしまうこともありますから全員につながることが困難な面もあります。

保護者や本人から年間80~90件の相談が来ます。その中で就労移行支援や人材派遣会社とも連携しているので、こういう状態の卒業生ですと紹介しつつ、きちんとつないでいけます。そして定着率も測っていけるので、キャンパスではできない、18歳で卒業した後25歳までの7年間をワンクッションとして社会につないでいけます。

今からでも学校に行きたいという場合には、その要望に合わせた進学相談を行います。第一学院高校の系列校の新潟産業大学や同大通信教育部のネットの大学「managara(マナガラ)」では、第一学院のキャリアサポートセンターとも連携しているので、managaraで学ぶ卒業生にも継続して相談できるという仕組みもあります。

◎オンライン調査でも傾向は把握

元々卒業後すぐは連絡が少ないです。保護者にしても、本人にしても、卒業して2年たちましたというところでは、特別な理由もなくキャンパスに連絡はしづらいところもきっとあります。逆に在学時や卒業時の経過を知らない第三者機関のキャリアサポートセンターみたいなところには気楽に連絡できる面もあると思います。特に保護者は、連絡しやすいと思います。

今年度はオンライン調査でしたが、LINE登録してもらっている卒業生にQRコードと趣旨説明を一斉配信して実施しました。現在25歳の卒業生たちはLINE登録がなかったので、そこだけは封書で案内しました。いずれもQRコードを読み込んでもらって、アンケートに答えてもらうという形式でした。

オンライン調査の回収率は一般的には17~20%の回収率なら有効とされるそうですが、約18%の回収率でした。実際に電話するよりは集めにくい面はありますが、全体的な数字動向は例年と変わらなかったので、オンライン調査でもある程度の傾向は取れるのかなと思いました。

オンラインだとチェックだけでいいのと、最後に記述欄も設けました。記述欄には、お礼が書いてあったり、実際に相談するにはどうしたらいいですかという声もあがってきます。そういう意味では、もしかしたら電話では言いづらいけど、オンラインだと書きやすいこともあるかもしれないと思いました。空欄で返ってくるのが多いかなと思っていたのですが、わりと記述してありました。

深刻と思われることを抱えている記述もあります。そういう場合は、お気軽に相談くださいともう一回送っています。その後、電話などの相談を受けてカウンセラーにつなぐ場合もあります。すぐに進路が決まらなくても、精神的に迷っている人には、提携しているカウンセラーにつないで、カウンセリングしながら、元気になったらまたキャリアサポートセンターに戻ってくるというサイクルも作っています。

キャリアサポートセンターのもう一つの顔としてネットワークを活用して生まれたのが卒業生と在校生をつなぐ「チームD1」という組織があります。単なる同窓会的な組織ではなく、卒業生動向調査を通じて分かった元気な人に、在校生の身近なロールモデルになってもらうのと、全国の第一学院高校主催のイベントにイベントリーダーとして入ってもらっています。先生と在校生ではなく、卒業生と在校生の“斜め”の関係で入ってもらえています。

また、第一学院高校では「プラス思考」を育むことと誰かの幸せ・喜びのために行動する「他喜力」の発揮に力を入れており、長らく生徒が仲間や後輩を支援するピアサポート活動を推進しております。

近年は生徒のキャリア形成には保護者の協力なくして実現出来ないことから、生徒同様に、保護者が今悩まれている保護者を支援する保護者のピサポート活動を各キャンパス単位で活動してきました。

今年度からはキャリアサポートセンターが核となり、各地域の保護者のピアサポーター有志の連携強化の目的で「全国保護者ピアサポーター」ネットワークの開設をしており、生徒だけでなく保護者にも目を向け、生徒も保護者も自身の人生・キャリアについて向き合ってもらい、様々な課題と向き合う中で、結果的に「自分を好きに」なってもらうおうと思っております。

今回は、「卒業生アプローチの先進事例校」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回からは、新シリーズ「通信制高校学費の最新事情」についてご説明します。
次回シリーズもよろしくお願いします!



【School Data】
第一学院高校
高萩本校 〒318-0001 茨城県高萩市赤浜2086-1
養父本校 〒667-1102 兵庫県養父市大谷13番地

2005年高萩本校、2008年養父本校を開校。全国から入学できる広域制・通信制高校。全国主要都市に54キャンパスを開設し、約7,600人の生徒を抱える。卒業後の継続的なサポートにも力を入れている。グループ校に「第一学院 専攻科」「第一学院 オンラインカレッジ」「新潟産業大学」「ネットの大学managara(新潟産業大学 経済学部 経済経営学科 通信教育課程)」などもあり卒業後の進路になっている。