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「気になりますね!通信制高校」
通信制高校学費の2022年度最新事情③
各地の上乗せ支援はこうなっている

 2022年7月1日
 

◇◇「通信制高校学費の2022年度最新事情」(3回連載)
第3回 各地の上乗せ支援はこうなっている

◎上乗せ支援が充実した東京都

国の就学支援金が2020年度に拡充され、これに自治体独自の上乗せ支援が加わっています。その中で、通信制高校も手厚くなったとよくわかるのが東京都の事例です。

東京都にお住まいの方で世帯年収約590万円から約910万円の生徒に対しては、国の就学支援金と、東京都の上乗せ支援「東京都授業料軽減助成金」により22年度は都内私立高校平均授業料である全日制・定時制等469,000円(21年度比2,000円増)、通信制258,000円(同4,000円増)までの範囲で授業料を軽減しています【図1】。



東京都は、都認可以外の私立高校も上乗せ支援の対象としています。これは、全国で唯一の事例です。他府県の場合は、上乗せ支援があっても対象校は当該自治体の認可校に限られています。

東京都は17年度から国の就学支援金に上乗せする独自の私立高校生授業料軽減事業を始めましたが、初年度は全日制・定時制高校、高等専修学校が対象となっていました。 翌年の18年度から都認可私立通信制高校が対象に加わり、21年度から都認可外通信制高校も対象に加わりました。都認可外対象校リストには、東京都を教育圏とするほぼ全てにあたる93校の他道府県認可通信制高校が掲載されています。

私立通信制高校の場合は1単位平均授業料は9,900円(22年度、本シリーズ第2回参照)となっているため、世帯年収約590万円未満の生徒は国からの就学支援金(1単位12,030円)でほとんどの学校で実質的に授業料無償となります。

世帯年収約590万円から約910万円未満の生徒は、1単位授業料9,900円と就学支援金基準額(4,812円)との差額(25単位履修の場合は127,200円)が必要となりますがこれを東京都では上乗せ支援金により軽減します。

全国的には約8割を占めるとされる年収約910万円未満の生徒は、東京都ではほぼ授業料実質無償となります。
また、扶養する23歳未満の子が3人以上いる多子世帯には、年収約910万円以上の世帯でも59,400円の助成金があります。

◎通信制高校生への上乗せ支援は約63%

全日制高校には、一昨年度まで47都道府県すべてで国の就学支援金に上乗せする授業料減免措置が行われていました。20年度から国の就学支援金拡充により、県による上乗せ支援を行っていた地域のなかには国の制度で実質的に授業料無償化に近づきました。このため20年度からは上乗せ支援を廃止したところも4県(山梨県、三重県、香川県、愛媛県)あります。

全日制高校への上乗せ支援を行っている43都道府県のうち3県(群馬県、富山県、徳島県)は私立通信制高校が開設されていません。
私立通信制高校が開設されている40都道府県で、通信制高校も就学支援金上乗せ支援対象としているのは25都府県・62.5%となっています。22年度から新たに青森県と愛知県の2県が私立通信制高校への上乗せ支援を実施しました。依然として約4割は対象外となっています。

愛知県は22年度から、県内の私立通信制高校について、年収590万円以上720万円未満の世帯の生徒を対象に、新たに授業料を補助します。

愛知県内には私立通信制高校が4校(広域:ルネサンス豊田高校、狭域:愛知産業大学工業高校、愛知産業大学三河高校、菊華高校)あります。対象の生徒には、卒業まで年間109,200円を補助します。既に国が実施している分と合わせると、補助額は年間計228,000円となります。また、入学金も年収720万円未満の世帯を対象に3万円を補助します。

今回は、「各地の上乗せ支援はこうなっている」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回からは新シリーズ「 “学ぶ場所”の位置付けがかわり始めた」についてご説明します。
新シリーズもよろしくお願いします!