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「気になりますね!通信制高校」
“学ぶ場所”の位置付けがかわり始めた③
通信制高校の学び方から考える“場所”の役割

 2022年9月1日
 

◇◇「“学ぶ場所”の位置付けがかわり始めた」(3回連載)
第3回 通信制高校の学び方から考える“場所”の役割

◎“学ぶ場所”は経験を重ねる場所

今回のシリーズでは、通信制高校生の“学ぶ場所”の定義が法令によって明確になってきていることを説明してきました。

シリーズ第1回目で「大学は、オンラインで入学から卒業まで完結できます。通信教育を教育手法とする通信制高校もオンラインで完結できてもよさそうです」と述べました。
それは、選択肢としてオンラインだけで入学から卒業まで完結できるコースもあるといいなと思う気持ちからです。

メタバースというネットで構築された仮想空間の活用が話題になりますが、それも学ぶ場所でしょう。
「学ぶ場所」を選ぶというのは学ぶ環境を選ぶのと同時に、経験することを選ぶという面があります。同時代に偶然そこに集まった人同士が時間を共有して相互に経験を重ねていきます。
その未知なる場所にワクワク感がわくことが、学校選びでは大切かもしれません。多少の緊張感は伴うにしても。

学ぶ場所や時間の制約の少ない通信制高校は、選べるメニューさえあればいろいろな学び方ができます。
その選べるメニューは、通学形態だけみても次のように豊富なバリエーションになりました。1校の中で複数の通学形態が選べるのも一般的になり、興味を持った複数校の中で考えればさらに選択肢が増えます。


通信制高校の通学形態など
①週1日・3日・5日通学などから選択できる
②全日型/週5日通学が基本
③1カ月に数日の登校
④集中スクーリング(年間数泊または数日連続登校)
⑤ネットコース
⑥在宅から登校へ(訪問支援)
⑦午後からなど時間帯を選べる


卒業に必須なスクーリングなどができる場所の定義は元々決まっていました。シリーズ第2回でご説明した法令改正では、むしろ「スクーリングができない場所」が学校の規則を定めた学則に記載されるようになり明確になったことです。

ただ、実情から言えば通信制高校のサテライト施設は全国に約2,600か所ありそれぞれの施設で、「できること・できないこと」はその施設にたずねてみないとほとんどわかりません。

このため、文部科学省が進めている『「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議』という会議では、サテライト施設の「できること・できないこと」を一元的に閲覧できるウェブサイトの構築が話題になっています。

◎「毎日必ず定時に通学」を少しかえてみると

このコロナ禍の中で、働き方は少しかわりました。
「毎日必ず定時に出社」からテレワーク、時差出勤を活用する会社が増えました。
学びリンクもこの例に漏れず、テレワークや時差出勤体制で過ごしています。気が散りやすい私にとってテレワークは、集中できる時間が過ごせるのでメリットを感じます。

少し前までは「毎日必ず定時に出社」を私自身疑うことなく過ごしてきましたが、それをわずかにかえるだけでちがう展開ができるのかと目から鱗が落ちるようでした。

通信制高校は、同じような意味で中学時代以前や転入学以前の全日制・定時制の「毎日必ず定時に通学」と異なる自分に合わせた学校生活が描けます。
「毎日必ず定時に通学」と人間関係、体調面、特性などで相性の悪い人はいます。無理をして、こじれてしまう前に不登校という選択をする方がベターな場合も多いように思います。

このシリーズでご説明しているように法令は、その場所で高校卒業に関わることと、それ以外のことなどを区分することを目的にしています。そういう面の参考になります。

社会人ならテレワークを活用すればこんな成果が出せそうだと考えます。
通信制高校なら、自分に合わせた通学回数や時間を選ぶことで自分らしい高校生活を考えてほしいと思います。学ぶ場所は、それに合わせて自然と浮かび上がってくるでしょう。

今回は、「通信制高校の学び方から考える“場所”の役割」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回からは新シリーズ「 通信制高校生“急増” その背景は?」についてご説明します。
次回もよろしくお願いします!