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宮本亜門さん スペシャルインタビュー

人間はカラフルだからおもしろい。
自分がイキイキとできる瞬間ワクワクできるコトを探してみよう

 演出家 宮本亜門さん

ミュージカル、演劇、オペラ、歌舞伎等、ジャンルを越える演出家として、国内外で幅広い作品を手がけている宮本亜門さん。
バラエティ番組などに出演している際は、明るく優しい笑顔が印象的ですが、意外なことに子ども時代は、自分を否定する気持ちが高まり、学校では居場所がなかったということ。高校生のときはひきこもり状態にまでなってしまった宮本さんですが、その経験が今の自分を育んでくれたと話してくれました。

人生二度なし!
自分の存在価値に気づいたとき、ひきこもり経験が人生のバネに

将来のことはそんなに急いで決めなくても良いという考え方があるかもしれないけど、僕は高校のときから早く決めたかった方なんです。僕がすばらしいなと思う海外の人たちはみんな20代で何か始めていた人が多かった。作曲家や演出家、芸術家だけじゃなくいろんな発明家も、だいたい20代のときに何か始めている人ばかりで、早く何かしておかないと奥深いところまで到達できないと、10代のときから思っていました。「人生二度なし」というのは母の口癖で、何度も死の宣告を受けながらも生きることをすごく大切にする人でした。そんな母の影響も大きく、人はいつどうなるか分からない中で、自分が一番好きなことを生きがいとして生きていくためには何をしたら良いんだろうと、見つけられない自分にすごく焦りを持っていた時期もありました。自分が生きていく中で、自分のできることや自分の役割を早く知りたいのに、それが何か分からない状態が苦しいと感じていたんです。

高校のときには、やりたいことができない自分を否定し始め、学校に自分の居場所がないと感じるようになりました。自分の好きなことで生きていく自信もまだないし、心の中で将来何をしたいのかを決められずにいて、次第に自信が持てなくなり人前に出られなくなってしまった。学校が嫌いだから逃げようという思いよりも、学校にいても自分の居場所が見つからず、どうやって行動に移せば良いのかも分からなく なり、部屋の中で一生懸命考え続けた結果、ひきこもりになってしまったという感じです。

家の中に閉じこもっているときはずっと苦しかったです。答えを探したいけれどなかなか出てこない。そしてまた何か見つかるはずだと思って部屋に閉じこもる。それでも答えが見つからず、苦しい。その繰り返し。そんなときに気分を変えてくれたのがレコードでした。音楽を聞くと、気分が開放され、身体が興奮し、なんて素敵なんだと感じた。頭の中で音楽が視覚化されて広がり、それを人に伝えたいと思いました。それができるのは、演出家や映画監督という仕事じゃないかと気づき始めたのです。ひきこもりの最後の方でしたね。

結果としてひきこもりの経験がなかったら今の自分はないかもしれません。ひきこもりが良いとは言いませんが、僕の場合は、苦しかったけれど、ひきこもりの時代が自分の中で必死に頑張れるバネになったし、後悔はありません。