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わくわく、ドキドキすることが、
君が輝く「これだ!」との出会いにつながる

小さい頃から僕は一風変わった子で、母はとても心配していました。仏像や、夏の桜の木にいる毛虫が綺麗で大好きで、母はなぜ僕がそれらを好きなのか、とても不思議がっていました。しかし、僕がやめるまで見守り、決してそれを否定しませんでした。

今、我が子の不登校やひきこもりで悩むお母さんたちにも、我が子を否定することだけはしないであげて欲しい。少し変わっていても、その子のオリジナル性をおもしろいと 思っていけば、彼、彼女にしかできない世界が生まれるかもしれない。不登校やひきこもりになる子たちって、ただ逃げているだけではなくて、「僕には何かが眠っているはずだ、学校に行く以外の何かが他にあるはずだ」という自分の芽を感じている部分があると思うんです。だからそこをもっと一緒に探って、一緒におもしろがって伸ばしていって欲しいと思う。どうか、自分のモノサシだけで子どもたちを測らないで欲しいんです。

今、不登校・ひきこもりで悩んで辛いと感じる人たちは、まずは自分が一番好きなことを見つけて欲しいと思います。一番わくわく、ドキドキできる喜びを探すのが大切。好きなことで解放されて、頭が柔らかくなって、自由になったときに「これだ!」と思えることに出会っていきます。実はみんな輝ける何かを持っていて、人の数だけそれぞれが担うべきおもしろい役目を持っています。まずは自分の居場所や喜べる場所を大切にして、そこで自分に自信をつけて、その後だんだんだんだん年を重ねるとともにいろいろな視点で物事を見ていったら楽しいと僕は思います。

僕の父は「人生、悩むには短すぎる」と言っていました。母は「毎日の空も雲も同じように見えるけど、毎回違う。一日でも長く生きるってのはすごい経験が沢山できるのよ」と言っていました。それを思い出すと悩んで一日を無駄にしたくない、いろんな体験や経験をして感じ、楽しんで、自分にしかできないオリジナルな人生を創っていきたいと思います。もし今の僕が、辛くて悩んでいた学生時代の自分に語りかけるとするならば、「想像していた以上に人生っておもしろい!」と言いたいです。あなたにしかできないことは必ずある、自分を否定しないで、と。




宮本亜門Profile
演出家。1958年東京都生まれ。2004年、東洋人では初めての演出家としてニューヨークのオン・ブロードウェイで「太平洋序曲」を上演し、同作はトニー賞の4部門にノミネートされる。2013年には、オーストリアでモーツァルトの「魔笛」を上演するなど、国際的にも活躍する。ミュージカルのみならず、演劇、オペラ、歌舞伎等、現在もっとも注目される演出家として、活躍の場を広げている。著書に「宮本亜門のバタアシ人生」(世界文化社)。