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金田一秀穂さん スペシャルインタビュー

心から「面白い!」と感じてもらうこと
それが私の「先生」としての役割

 言語学者 金田一秀穂さん

テレビのクイズ番組にも多数出演し、様々な分野で活躍されている言語学者の金田一秀穂先生。現在は多くの通信制高校生が視聴する「NHK高校講座」にも出演し、担当する「ベーシック国語」では、好奇心あふれる楽しい授業を展開しています。
高校時代は「なんとなくみんなと一緒にいることが嫌だった」と振り返る金田一先生。大学卒業後も就職の道ではなく、自分が心から「面白い!」と思えるものを探しながら読書にふける日々を送っていました。
「日本語が面白い!」と思うようになったきっかけや、ご自身の学生時代のお話、今の子どもたちに伝えたいことを語っていただきました。

勉強に実用性を感じられなくて、嫌いにはさせたくない

ーNHK高校講座への出演のきっかけは何だったのでしょうか。

特にこれといったものはなかったんですよ。「やってくれませんか?」と言われたので「はい」って返事しました。

ただ、実際にやっていくと、やはり学習指導要領に沿った指導という制約もあって、僕自身のやりたいことと少しずれも出てきます。そこは本番直前まで打ち合わせを重ねて作っていっていますね。

例えば『詩を読む』という単元では「作者が伝えたかったこと」を考えるんです。でも、僕が思うに、何を言いたいのかは詩そのものに書いてある。それ以上や、それ以外のものを伝えたいならば言葉を言い換えて伝えますよね。でも、<勉強>となると、そういうわけにはいかなくなるんですね。

結局、その単元で僕は「言葉の選択の裏に潜むもの」についてお話をさせていただきました。例えば『森の中のキノコになってみよう』という一節があったら、「なぜ、鹿でも熊でもなくキノコなのか」に言及したり、『宝石のように輝いて』で終わる詩が「なぜ、“輝いた”とは言わず<て>で終わるのか」など、言葉の使われ方が実は深く計算されているんだという題材を用いて番組づくりを考えてみました。

「詩の書き方」とか「原稿用紙の使い方」とか、正直実用性を感じられないものも出てくるんですよ。それで「勉強のための勉強」になってしまい、生徒たちに「なんのためにやっているの?」と思われてしまうのは避けたいですよね。学校を嫌になってしまう子どもたちのなかには、勉強の必要性を感じられずに、授業がつまらない、嫌いと感じてしまう子もいるわけですよね。それは凄くもったいないことだと思っています。

古文や漢文なども「日本の伝統を知るため」であるなら、現代語訳から始めていけばいいと思うんですよね。先に意味を知ったほうが実感を伴って内容を理解できると思うんです。結局、「ありをりはべり~」で嫌になってしまって、勉強に苦手意識をもってしまうわけでしょ。今は著名な方々が最高の現代語訳を出しています。古くて分かりにくい日本語で勉強を嫌いにさせてしまうのは恐ろしくもったいないことだと思うんですね。