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新着情報

2021年04月30日

不登校生の出席扱い制度説明とオンライン教育「OjaC(オージャック)」活動報告会を開催

4月28日(水)、株式会社すららネットとクラスジャパン小中学園が共同で主催し、二部構成で不登校生の出席扱い制度説明会と「OjaC(オージャック)」活動報告会がオンラインで行われました。

 

 

第一部では、「不登校生の出席扱い制度説明」が当事者である保護者の方を中心に行われました。

まず始めに、すららネットとクラスジャパンの教材やシステムがどのような子どもたちに届いているのか説明がありました。両社に共通するのは無学年教材を採用し、AI学習システムを導入しているということです。そのため、生徒に合わせた勉強ペースが可能となり、学校側も学習成果を可視化しやすくなっています。

その後、すららネットやクラスジャパンの学習成果を出席扱い制度で利用するためのポイントや条件の説明がされました。ポイントは、子どもが「不登校の定義」に当てはまっているかです。文部科学省が定義する不登校に当てはまっていなければ、この制度を利用することはできません。また、保護者と学校の関係性も重要となってきます。制度の利用条件には「保護者と学校が十分な連携・協力関係であること」と明記されており、保護者が担任の先生に相談し、始めなければなりません。学校の先生はこの制度のことを知らない場合が多く、保護者と学校の関係がうまくいっていないことで制度の認定が遅れているケースもあります。

 

 

昨年度、すららネットでは70%、クラスジャパンでは80%の子どもたちが出席認定されています。より多くの子どもたちが出席認定されるためにも、制度の浸透と条件をクリアしやすい仕組みづくりが今後の課題と言えるでしょう。

 

そして、第二部では「OjaC活動報告会」が行われ、不登校生の成績への反映を目指したガイドライン作成について報告がありました。文部科学省と経済産業省が共同で進める「未来の教室」の完全オンライン教育プログラムとして2020年9月にスタートしたOjaCプロジェクト。全国17の自治体が参加し、ICTを活用した自宅学習のモデル事業として行われました。そして、その学習効果を調査し、出席や学習評価のガイドライン作成につなげています。

会では、経済産業省教育産業室長の浅野大介さんが未来の教室プロジェクトについて説明し、「OjaCでは多くの自治体に協力していただき行いましたが、参加した生徒で出席扱いにならない子たちもいました。努力が出席や成績として反映されない現実を変えていかなければなりません」と不登校生の実情について思いを話しました。

 

 

そして、学校の先生方が成績をつける際の参考にしてほしいという思いから進行したガイドライン制作は、モデルが完成しました。現在、全国1741自治体のうち600ほどに配られ、今年の5月には全自治体への配布が完了する予定です。ガイドライン制作の座長を務める信州大学大学院教育学准教授の林寛平さんは「ガイドラインは、子どもたちがやったことを認められて自信をつけ、社会的な自立への一歩を踏み出すためのものとして使っていただきたいと思っています」と制作の目的を伝えました。

 

 

その後、慶應義塾大学総合政策学部の中室牧子教授から、OjaCに参加した子どもたちのプロファイルから不登校生の傾向、OjaC参加後の結果について報告がありました。参加生徒の不登校理由や学習環境や障害の有無などが明確となり、どのような人から求められているのかがわかる指標となりました。

コロナウイルスの影響で対面での授業に問題が出ている今、小中学校もICT教育をさらに導入し、子どもたちのニーズに合わせた学習環境を整える時期にきています。今回のガイドラインを活用し、不登校生の学習成果を反映できるように積極的に改善を図ってもらいたいです。OjaCは今年度も実施を予定しており、昨年度の課題を含め、子どもたちのニーズにさらに寄り添っていきます。