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ワオ高等学校
2025年07月17日
VTS(対話型鑑賞法)でふれた、芸術鑑賞と対話の本質/ワオ高等学校(東京都・通信制高校)
7月2日(水)、ワオ高校東京通学コースの生徒と教員は東京都美術館を訪れ、「ミロ展」でVTS(Visual Thinking Strategy/対話型鑑賞法)を体験しました。
VTSとは、予備知識のない状態でアート作品を鑑賞し、 「何が見えるか」「なぜそう思うか」「他にどんな見方があるか」など、 作品を見ながら対話を通じて考えを深めていく鑑賞法です。今回、事前学習を経て美術館を訪れたので、より充実した鑑賞につなげることができたようです。
VTS中は、自分の感じたことを素直に伝える場面が多く、普段は発言が多くない生徒も積極的に気づいたことや想像したことを話しました。
「月明かりで飛ぶ鳥」という作品を見たとき、鳥のように見えるものが見つからず、全員で頭をひねっていました。ある一人の生徒の「もしかしてこれは鳥から見た景色なのではないか」という発言に、「その視点はなかった!」「なるほど…!」という驚きと感心の声が広がり、まさにVTSならではの“対話の力”が発揮されました。
後半の時間は展示室を自由に巡りながら、それぞれが気になった作品と向き合いました。作品の背景や意味を調べるというより、「自分はどう感じたか」をじっくり見つめ直す姿が多く見られました。
生徒たちは今回の体験を通して、「作者の意図だけでなく、自分がどう受け取るかが大切」「伝えるときは相手の受け取り方にも目を向けたい」といった、鑑賞やコミュニケーションの本質にふれる気づきを得られました。そして、作品を通じて他人の考えにふれ、自分の言葉で表現するという貴重な時間を過ごすことで、自分自身の思考を深め、他者との違いを前向きに捉えるきっかけにもなったようです。