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特集記事

2018年12月06日

思春期のダイエットは摂食障害予備軍(2/4)>『養護教諭「食育」調査』

 

体調不良を訴える生徒でも「食事が原因だと本人は思っていない」(公立高校)という声もあり、食に対する意識の低さも感じられます。ある公立高校の事例では、親から渡された食事代を節約して、自分の好きなことに使う生徒もいるようです。例えば「サンドイッチやおかずのあるお弁当は高価なため、安くて高カロリーで満腹感を得られるおにぎりや菓子パンを買っている」というように、食に対する優先順位が低くなっているようです。ちなみに、その養護教諭のお子さんが通う高校では「お昼はお金だけ渡さず、お母さんがお弁当を買って栄養のある食事をとらせるように」という指導もあったそうです。

 

思春期特有の事情もあります。「ダイエットで少ししか食べない児童がいる」(公立小学校)など、見た目を意識して食事をとらない生徒がいます。ある高校では「体重が30キロ台にまで落ち、入院までした女子生徒がいる」という実例も。思春期に入れば恋愛も始まり、「彼氏との関係によってはいびつな感情に陥り、病的に痩せていく」(同公立高校)という事例も聞かれます。最悪の場合は拒食症や過食症などの摂食障害を引き起こすケースもあり、思春期のダイエットなどは摂食障害予備軍だとの声もあります。

 

食を取り巻く様々な課題があるなか、特別講義など食育について学ぶ機会を設けている学校は29%に留まりました。「歯科総合のなかで実施している」(公立中学校)、「学校保健委員会で生徒主体の取り組み」「教職員の研修会への参加」(同公立高校)など具体的な取り組みを行っている事例もありますが、全体的には消極的な結果となっています。

 

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