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大学って何⑨
学費はどうやって稼ぐか

 2018年11月29日

 
夜の東京駅(現在)。周辺のビルの建設工事で、コンクリートパネル撤去作業をやった。夏の暑い日だった。
教育費で家計が大変とか、卒業後奨学金の返済ができない若者が多いなどの話が聞こえてきます。前回は、学費を稼いでから大学に入る社会人学生の話をしましたが、今回は学費や生活費が足りないとき、どうすればよいか、考えてみましょう。

私も浪人しても予備校に通えなかったくらいなので、大学入学後もお金を稼ぐことは重要な仕事でした。まず考えたのは新聞配達です。どの新聞社にも“新聞奨学生制度”がありました。新聞配達店に住み込み、新聞を毎日配達しながら大学に通うのですが、入学金や学費を貸してもらい、住み込みなのでほとんど生活費も要らないという制度です。何年か続けると貸してもらったお金を返済しなくてすむので、借金に苦しむこともありません。受験前にある新聞社に相談したら、理科系の学生は夕刊の配達ができないから募集していないと断られましたが、粘った結果、私立大学だったら採用しようとなりました。住み込む販売店も決まり、寝るところまで見に行きましたが、結局、国立大学に合格したので採用してもらえませんでした。

奨学金はもらえそうなところはすべて申し込みました。もっともポピュラーなのは、当時の日本育英会(現在の日本学生支援機構)の奨学金です。返却しなくてもよい給付型、利子が付かない無利子型、利子を付けて返却する有利子型などがあります。学力や保護者の収入などの条件があるなど多様なので学校の先生の指導を受けたり、日本学生支援機構に直接相談するなどしてください。

私はさらに親が住む自治体の奨学金を受けました。大学や団体、企業が独自に設けた奨学金制度もたくさんあるので早めに調べておいた方がいいでしょう。

入学後、私は大学に学費免除制度があることを知りました。親の年収が少ないのが条件で、月額千円の学費がただになったのですごくうれしかったことを覚えています。

アルバイトも家庭教師をはじめ、いろいろな仕事をしました。学生寮には単発のバイトの求人が来ます。早い者順なので、館内放送でバイト情報が流れると各部屋から全速力で走って寮管理委員会の部屋に飛び込む光景が見られました。お金がなくなると最後の手段として “立ちんぼ”と呼ばれる日雇い労働に出かけました。高田馬場の公園前に並ぶ土木建設業者の車に乗り込み、現場で終日“土方”をやると本当にくたくたになりました。

私の経験はもう40数年前の話ですから、今と事情は違うでしょう。しかし、教育費・生活費で苦しい人がたくさんいることに変わりはありません。それでも私は「大学に行きたい」「勉強したい」という気持ちが強ければ、どんな事情があっても夢はかなえられると思っています。