「気になりますね!通信制高校」
通信制高校の選び方③「通信制高校の学校生活で満足しているところ」
2020年11月13日
◇◇第3回 通信制高校の学校生活で満足しているところ◇◇
◎意外に卒業までの道のりは厳しい連載1、2回と同様に通信制高校生徒・保護者アンケート調査(生徒2,468名、保護者1,186名からの回答集計)から、今回は「通信制高校の学校生活で満足しているところ」を見ていきます。
通信制高校に入学して満足している点のトップは、入学時の期待でもトップだった「高卒資格が確実にとれる」です。
「高卒資格が確実にとれる」を入学時の期待と入学後の満足で比較すると、生徒(期待50%、満足41%)、保護者の方(同72%、同61%)とともに10ポイント程度下がっています。期待が大きかっただけに満足感はそこまでいたっていない様子があります。
《通信制高校の学校生活で満足しているところ》 | |
---|---|
◎生徒 | |
高卒資格が確実にとれる | 41.4% |
登校日が少なくて済む | 41.2% |
先生が親しみやすい | 38.5% |
自由な時間が増えた | 32.6% |
先友だちがつくれた | 31.2% |
◎保護者 | |
高卒資格が確実にとれる | 61.7% |
先生が親しみやすい | 41.8% |
不登校経験者への配慮がある | 34.8% |
自分のペースで登校日の組み立てができる | 33.1% |
登校日が少なくて済む | 31.5% |
※複数回答、上位5項目回答 |
中学や全日制高校の一斉授業・集団指導の体制と異なり、通信制高校はレポート提出と添削指導という学習形態となります。全日型やクラス編成コースもあるので、一見、一斉授業とかわらないように見えますが基本はレポートを中核とした個別指導です。レポート制作は誰もかわることができませんから、卒業のためには自分でしなければなりません。意外に高卒までの道のりに“厳しさ”を感じます。「もっと楽かと思った」「なんとか、レポート提出しています」とは生徒の口からよく聞かれる言葉です。
生徒、保護者の方で共通しているのは人間関係への満足感です。友だちについては、入学時は期待度が19%と低かった生徒も、学校生活を通じて「友だちがつくれた(31%)」と満足感がアップしています。
◎自宅にいてもお子さんは成長しています
入学時の期待以上に満足感の高いものとしては、「登校日が少ない」(生徒・期待34%、満足41%、保護者・同19%、同32%)があります。特に保護者の方の評価が13ポイントも上がっているのがわかります。親御さんの気持ちとしては、自宅にいるのでなく学校に行って先生や友だちと接することで成長してほしいと思うものです。人が成長していくために学校が果たす役割は大きいですから、その通りです。
でも子どもたちは自宅でも成長しています。在宅中心の学校生活でも、学校では教わらないような知識を持っていたり、今までと異なることに興味を持ったり、ふとしたことでお子さんの成長を気づくことがあるのでしょう。そんな子どもの成長を見たときに考え方も少しかわったのだと思います。
普段通える場所があることについて、保護者の方は入学時の期待、入学後の満足ともに高くなっています。生徒は入学時にはそれほどでもありませんでしたが、実際に学校生活を送るなかで評価が上がっています。
今回は、「通信制高校の学校生活で満足しているところ」についてご説明しました。
次回からは新シリーズ「通信制高校の“実力”」(生徒数、学習拠点数、進路決定率)についてご説明します。
次回シリーズもよろしくお願いします!