「気になりますね!通信制高校」
就学支援金拡充で考える「自由な高校選び」とは
2026年5月28日
![]() |
◇◇就学支援金拡充で考える「自由な高校選び」とは
◎通信制就学支援金、拡充されたが格差広がる高校等就学支援金支給法の一部改正が今年3月末に成立し、4月から私立高校生等の就学支援金が拡充されました。私立全日制高校等に通う生徒には授業料を減免するために年額上限457,200円、私立通信制高校に通う生徒には337,200円が家庭の所得制限なしに支給されることになりました。
通信制高校生に対しては、昨年10月の就学支援金拡充を検討していた当時の3党実務者協議(自民・公明・維新)のなかで広域通信制高校は除外するという意見もありました。また、全日制と同額としない背景にも一部の私立通信制高校に関し「教育の質を担保できていない」との指摘があることから見送ったとされています。
全日制高校等は25年度の396,000円から、通信制高校は同じく297,000円からそれぞれ引き上げられました。全日制・通信制間の格差は新たな支給額により99,000円から120,000円に拡大しています。改正法の付則には施行後3年以内に検討を加え必要な措置を講ずるとも書かれています。
従来の制度で支給対象となっていたブラジル人学校や中国人学校、インターナショナルスクールなどの外国人学校は新たな制度では対象外となりましたが、新たに「高校生等・新修学支援」により予算をつけることで実質的に25年度同様の支援額を維持しました。年収910万円未満の世帯生徒に118,800円、590万円未満の世帯生徒には396,000円が支給されます。
◎私立通信制への上乗せ補助18都県
就学支援金は拡充されましたが、高校授業料のすべてをカバーするまでに足りていない場合もあり上乗せ授業料減免措置を実施している自治体もあります。
学びリンクの調べによると、26年度で就学支援金に加えて独自の私立高校生(全日・定時・通信制のいずれか対象)への上乗せ授業料減免措置がある自治体は23都道府県(全国に対する構成比48.9%)、上乗せのない自治体は24県(同51.1%)となり上乗せ有り・無しが拮抗する状況となりました。
上乗せ支援のある自治体は就学支援金拡充によって25年度の40都道府県から17自治体がとりやめました。とりやめた理由は「年収制限が撤廃され、支給上限額が県の私立高校授業料平均額を上回る金額となった」(千葉県)ことが代表的な背景となっています。
実は20年度まで私立全日制高校には全国で就学支援金に加えて上乗せ授業料減免措置が行われていましたが、20年度にも国の就学支援金が拡充され国の制度で実質的に授業料無償化に近づいたとして上乗せ支援をとりやめる県が出始めました。
今年度で上乗せ支援のある23都道府県のうち、私立通信制高校生を補助対象としているのは18都府県(同38.3%)となっています。特区校も補助対象としているのは3都府県に過ぎません。
支給条件に「当該自治体に在住し、当該自治体認可校に在籍する」ことが条件となっている場合が多いのですが、東京都と大阪府は当該自治体以外の高校の生徒も対象としています。東京都のホームページには、対象校として東京都を教育圏とする全国115校の校名があがっています(5月28日現在、東京都の詳細は一部未発表があります)。
学びリンクでは、授業料以外で独自支援が目立つ私立高校生等の入学金への減額支援があるかも今回は調査しました。その結果、入学金補助がある自治体は28都県(同59.6%)となっています。このうち私立通信制高校も入学金補助の対象としているのは19都県(同40.4%)でした。

このうち神奈川県は、就学支援金に県の上乗せ補助を加えて480,000円まで支給します。全日制高校等ばかりでなく通信制高校生に対しても同額補助があり、通信制の場合は就学支援金に142,800円が加算されます。また年収目安によって入学金補助(212,000円、100,000円)もあります。世帯収入750万円以上は入学金補助の対象外となっています。授業料と入学金の合計補助額上限は692,000円になります。
神奈川県の私立通信制高校は狭域校4校、広域校1校が開校しています。補助対象は神奈川県内に生徒・保護者等がともに在住していることが条件です。
家庭の経済力に関係なく全日制、通信制など課程に関係なく自由に高校を選べるのが理想的です。神奈川県の姿は、その理想像に現状では一番近いように思います。

今回は、『就学支援金拡充で考える「自由な高校選び」とは』についてご説明しました。いかがだったでしょうか?
次回は、「日本の通信制って一体何校あるの?」についてご説明します。
次回もよろしくお願いします。

