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「気になりますね!通信制高校」
通信制高校生はどこで学ぶか②
面接指導等実施施設はどうやって決まるのか

 2026年7月17日
 

◇◇「通信制高校生はどこで学ぶか」(2回連載)
第2回 面接指導等実施施設はどうやって決まるのか

◎同じビルにあるのにこの違いは?

 前回の本稿で通信制高校本校の学校数は、学びリンクの調べでは現在357校(公立82校、私立275校)で、本校以外の居場所となっている「キャンパス」などは文部科学省調べでは全国で4,341カ所(公立校152カ所、私立校4,189カ所)となっているとご報告しました。
 その「キャンパス」には、高校卒業に必須のスクーリングができる会場「面接指導等実施施設」と、サポート校に代表される日常の学習などを行う居場所となる「学習等支援施設」の2種類があるとご説明しました。私立通信制高校上記4,189カ所の45%が「面接指導等実施施設」、55%が「学習等支援施設」となっています。
 実は、学びリンクは21年前の関連法改正からこの「面接指導等実施施設」はどういう要件をそなえた場所なのか調査を続けてきました。我ながら気長にやっていると思います。

 スクーリングは高卒に必須なので、どこでそれができるかは学校選びにもそれなりに重要です。
 ところで、こんな経験をした方はいないでしょうか?
 通信制高校選びで学校見学に行きました。自分に合っていそうな学校を事前に調べてここがよさそうだと思った学校2校がたまたま同じビル内にキャンパスがありました。
 一度に2校見られる。と、一石二鳥と思い見学したり、相談したりしているとあることに気が付きました。A高はその場所がスクーリングできる場所なのに、B高のスクーリングは別の場所になっている。何やら不思議な感覚です。

 A高は、その学校を認可した都道府県がスクーリングできる場所としてOKしているからできることです。こちらは現状でも少し複雑なので後回しにします。
 まず、B高のほうです。B高はキャンパス内ではできませんが、スクーリングできる場所は複数カ所あるのが一般的です。まずは、本校や分校があります。本校でのスクーリングの形態自体は学校によってけっこうバリエーションがあります。宿泊タイプのスクーリング、数日間の連続登校、何回か分割した登校などがあります。分校を持っている学校は少ないですが、本校に準じてスクーリングが実施されます。
 従来から法律でも認められている「協力校」もあります。「協力校」とは他の高校のことです。他の高校で、その学校の先生が通信制高校生徒を指導してくれます。

 肝心なのは本校、分校、協力校以外でもスクーリングができることです。学びリンクが21年間調べてきたのがこの部分です。
 法律(高等学校通信制教育規定と言います)では、分校、協力校以外でもスクーリングができると規定しています。その対象は、大学、専修学校、指定技能教育施設(以下、技能連携校)、その他の学校・施設と明記されています。“その他の学校・施設”は21年度の法改正から加わりました。

 大学、専門学校、技能連携校で行われるスクーリングは通信制高校ではそれほど珍しいものではありません。逆に大学キャンパスなどに入る機会はあまりないので大学生気分先取りみたいなちょっと優越感も味わえます。

 大学等でスクーリングができるのを誰が認めるかというと認可自治体です。長きにわたりなぜ調べているかと言えば、認める・認めないにばらつきがあるからです。 現状で言えば、下記の「面接指導等実施施設認定状況」で見るように法律に明記されている施設は8割がスクーリングのできる施設として認定されています。法律には明記されていない短大、各種学校も約7割で認定されています。

 ほとんどの都道府県で認定施設がこの2年間で急増しています。この背景には、23年11月に文部科学省が発表した「通信制課程に係る私立高等学校の認可基準(標準例)」があります。単に「標準例」と呼ばれていますが、これを受けて各自治体では独自の審査基準をつくりその一環でスクーリングのできる施設を拡充しています。
 施設別に見ると26年度は大きく拡充しています。大学:39都道府県認定(25年度28)、短大:33(同25)、専門学校:38(同27)、技能連携校:38(同25)、各種学校:38(同21)となっています。





◎「キャンパスでスクーリング」の背景

 さて、前述A高の話に戻りましょう。A高はキャンパス自体がスクーリング会場になっています。極端に言えば、入学から卒業までそのキャンパスで完結できます。この点がメリットになる場合もあります。
 一方で、入学した学校の本校を一度も見ないで卒業してしまうことにもなりかねません。私は、本校は見たほうが良いと思っています。本校を訪ねるたびに、なぜそこに開校したのか、そんな息吹を感じます。そこがわが母校になる人にとってはなおさらでしょう。

 話は戻ります。なぜA高がスクーリング会場になっているかというと、大学等が認められているのと同様に認可権者が認めているからです。
 法律で言えば“その他の学校・施設”ということになります。これは21年度の法改正から加わった文言ですが、それ以前も一部の学校はスクーリングのできる会場が協力校、分校、大学等以外でもありました。この法改正以後は目立つようになってきました。

 どんなところでスクーリングができる会場になるかは認可権者によってけっこう異なります。
 例えば茨城県は、「建築基準法に規定する新耐震基準を満たしており、また、消火設備や避難経路の確保など消防法を遵守している安全な建物でなければならない」として現実の不動産物件から見れば比較的緩やかな解釈をしています。
 一方、埼玉県は「面接指導等実施施設の施設、設備については、通信制の課程のみを置く私立高等学校の基準を満たすことを原則とする」としています。埼玉県は分校基準を要件に掲げているのです。
 両者は少し極端な例を示しましたが、認可権者の方針によって施設指定はかなり幅があるのが現状と言えます。

 今回は、「面接指導等実施施設はどうやって決まるのか」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

 次回からは新シリーズ、「定通振興法が改正された背景」についてご説明します。
 次回シリーズもよろしくお願いします。