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「気になりますね!通信制高校」
通信制高校と不登校 ②「不登校を経験した人のその後」

 2021年2月1日
 

◇◇通信制高校と不登校 第2回「不登校を経験した人のその後」◇◇

◎心理面の継続的な支援が大切です
中3で不登校だった生徒が、中学卒業から5年後にどうなったかを追跡した調査があります(「不登校に関する実態調査」文部科学省2014年度発表、以下追跡調査)。

中学を卒業したころに比べて5年後に成長したのはどんなところか聞いています。
「人の痛みがわかるようになったり、人に対して優しくなったこと」48.1%、「自分で働いて収入を得ようとすること」46.9%などが高い回答比率となっています。その一方で、「かっとしたり、いらいらしたりしなくなった」18.6%、「孤独に耐えられること」25.1%などが低い回答比率となっています。

《中学卒業時に比べ5年後に成長したところ》
1 人の痛みがわかるようになったり、人に対して優しくなったこと 48.1%
2 自分で働いて収入を得ようとすること 46.9%
3 身のまわりのことが自分でできること 45.6%
4 人とうまくつきあえること 45.6%
5 生活のリズムがつくれること 38.0%
6 自分に自信が持てること 33.7%
7 将来の希望が持てること 31.9%
8 自分の気持ちをはっきり表現できること 34.8%
9 学力が身に付いていること 27.1%
10 いつまでもくよくよ悩まなくなったこと 26.2%
11 身体が健康になったこと 25.4%
12 孤独に耐えられること 25.1%
13 家族との関係が改善されたこと 24.9%
14 かっとしたり、いらいらしたりしなくなったこと 18.6%
15 成長したとは思えない 7.1%
16 その他 6.4%
出所:「不登校に関する実態調査」文部科学省

不登校を経験して、20歳前後になった人たちの成長の姿がうかがえるものの、心理面での継続的な支援が大切な様子もあります。

この成長を支えてくれたのは誰だったかという質問には、「母親」56.2%、「先輩.友人」43.8%となっており、この両者の存在が大きかったようです。ちなみに「父親」も、これに次ぐ28.3%で三番になっています。親の励ましの言葉は、ときにけむたがられても成長の背中を押しているのです。

また、心理面と同様に学ぶための方法(例えば辞書を引く、暗記する、先生に質問するなど)を支援することも必要とされます。

◎中学卒業後も進路には曲折があります
追跡調査によれば、中学卒業後に高校などに進学した人は87.2%、進学しなかった人は12.2%でした。それぞれの進路とも曲折がありますから、その都度アドバイスなども心掛けたいところです。

中学卒業から高校進学した人(1,298人)の66.8%が高校を卒業し、中学卒業から5年たった時点では、そのうち7割の人が大学進学あるいは大学進学準備をしています。高校に進学したものの中退した人は19.7%で、そのうち約3割の人は高校再入学しています。

この時点では高校中退から高校再入学した人の半数近くは高校卒業に至っていますが、約3割の人は学籍期間が途切れたことで、まだ高校在学中となっています。高校転学した人は9.2%で、このうち8割近くの人が高校を卒業しています。

中学卒業後に就職した人(96人)の5年後を見ると、75%の人は仕事を継続し、23%の人が仕事を辞めています。仕事を継続している人のうち、約14%は高校へ進学もしています。仕事を辞めた人の約13%も高校進学しています。

中学卒業後に高校進学と同時に就職している人(67人)の5年後は、仕事を継続している人が半数で、さらにその半数が高校卒業に至っています。

今回は、「不登校を経験した人のその後」についてご説明しました。

次回は、「ひきこもりと不登校」についてご説明します。
次回もよろしくお願いします!