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「気になりますね!通信制高校」
通信制高校と不登校 ③「ひきこもりと不登校」

 2021年2月15日
 

◇◇通信制高校と不登校 第3回「ひきこもりと不登校」◇◇

◎ひきこもりを解消できた人は約172万人
ひきこもりの人は何人なのかを推計したデータがあります。内閣府が2015年に調査した推計によれば15歳から39歳の人の間で約54万人とされます(「若者の生活に関する調査報告書」)。

また、内閣府が18年に40歳から60歳の人のひきこもりについて調べたデータではこの年代では約61万人と推計されています(「生活状況に関する調査」)。

ひきこもりとは、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6カ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」と厚生労働省では定義しています。

15歳から39歳のひきこもり状態の人を約54万人と推計した内閣府の調査では、過去にひきこもり経験した人がその後、ひきこもりを解消した動向がわかります。その人数は、有効回答者数3,115人中158人でした。この調査の推計方法に従えば、15年時点の15歳から39歳の人のうち約172万人が過去にひきこもりの状態を経験し、それを解消したことになります。

この人数も膨大なものですが、それだけの人たちがひきこもり状態を解消できたのです。その人たちがひきこもりになったきっかけの一つは不登校(小・中・高)でした。過去にひきこもりになった年齢は、14歳以下が15%、15歳から19歳が35%で半数が高校生以下ぐらいの年齢となります。ひきこもり状態だった期間は、6カ月から1年が39%、1年から3年が29%となっています。約7割の人が20歳ぐらいまでにひきこもり状態を解消していることになります。

ひきこもり状態解消に役立ったこととしてコメントが寄せられています。入学・進学・卒業という点では、「フリースクールに行ったこと」(女性、15~19歳)、「このままではいけないと思い、自分で勉強をして学校で資格を取って、就職しようと思ったから。学校を卒業できたのが、一番の自信になりました」(男性、20~24歳)などが寄せられています。

◎高校進学はひきこもり転換のチャンス
中3で不登校になっている生徒の小学校からの欠席状況の推移を見ると、小学校から中1になる段階で欠席が増えています。いわゆる中1ギャップと呼ばれる状況ですが、中2になるとこの欠席状況がかなり固定化した様子があります。中3では、9割が「ほとんど休んだ」「かなり休んだ」という状態になっています。

学校を休み始めた時期から不登校が長期化するまで一定の時間の経過が見られますが、欠席状態が長期化するとそこから転換するのが難しい面があります。

不登校も長期化すれば、ひきこもり状態となる場合があります。高校進学は、あまり無理をせずに不登校・ひきこもり状態から転換できるチャンスです。
不登校・ひきこもり状態は病気ではありませんが、背景に病気などを抱え、その二次状態という場合もあります。その状態は千差万別ですが、その解消への見立ては他者との有意義な接点(相談や診断など)が効果をあげているようです。そのため解消へのプロセスも他者を受けいれることから始めることになります。外へ動き出すきっかけとして学校選びならソフトに始められます。 不登校のきっかけは、いじめなど他者から傷つけられた場合が多いのですが、それを癒やせるのも他者からの支援や評価が大切でしょう。ひきこもり状態は傷つけられた記憶だけが鮮明になりがちです。

今回は、「ひきこもりと不登校」についてご説明しました。

次回からは新シリーズ「通信制高校“公立”“私立”の特徴」についてご説明します。
次回シリーズもよろしくお願いします!