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「気になりますね!通信制高校」
今春新設校はこんなところが新しい①
少子化なのに、なぜ新設!?

 2022年1月17日
 

◇◇今春新設校はこんなところが新しい
第1回 少子化なのに、なぜ新設!?◇◇

◎少子化で学校数は急減
今年4月に新しく開校する通信制高校は、私立高校11校、公立高校2校合わせて13校あります。

この少子化のなかで新設校がいるの? と、思われる方もいるのではないでしょうか。
2021年の出生者数は80万5千人程度とみられています。16年から100万人をきるようになりました。少子化対策は、喫緊の課題です。

赤ちゃん一人ひとりのかわいさ、大切さは言うまでもありませんが、この出生者数を以前の人数に比べてみるとその重みを実感します。このメルマガ読者のなかにもたくさんいると思いますが、いわゆる“団塊ジュニア”と呼ばれる方が生まれた1970年から75年の出生者数は、毎年約200万人でした。

この少子化の影響は、学校教育にも大きな影響を及ぼしています。その一つが学校統廃合です。学校数を1989年度→2018年度で比較すると、小学校は約2万4,600校→約1万9,600校、中学校は約1万600校→約9,400校、高校は約5,500校→約4,900校(各公立)と大幅に学校数が減少しています。

かくいう私の卒業した県立高校も昨春に統合されました。校名は存続し、一方の高校の校名も園芸科のキャンパス名として残りました。私自身は、残念ながらそれほどしっかりした気持ちで高校選びをしなかったので「まあ、いいか……」ぐらいの感じなのですが、たぶんお互いの生徒同士、OB同士はモヤッとした気持ちがあるように思います。
この10年ぐらいの間に高校で言えば、600校程度の高校生、人数で言えば3万7千人ぐらい、そしてそのOBが「なんで、うちの高校が……」とモヤッとした気持ちを持ったんだろうなと想像します。

少し前置きが長くなりましたが、このような少子化のなかでなぜ通信制高校新設になるのか次にご説明します。

◎通信制は全日制をカバーしている!?
まず、学びリンク調べによる2022年4月開校の通信制高校の概要は次の通りです。私立通信制高校11校のうち、1校は既存の自校全日制課程が合わない生徒の受け皿として通信制課程を開設するため外部募集は行いません。

公立高校は、学校統合の一環と、既存校の通信制課程を閉課程して新設されるので学校数は増えないことになります。

【私立通信制高校】11校
茨城県:日本ウエルネス高校(笠間市)
埼玉県:わせがく夢育高校(飯能市、ゆめいく)
千葉県:麗澤高校・通信制課程(柏市)、千葉科学大学附属高校(銚子市)、ヒューマンキャンパスのぞみ高校(茂原市)
長野県:ステップ高校(長野市)、長野俊英高校・通信制課程(長野市)
和歌山県:和歌山信愛高校・通信制課程(和歌山市)
広島県:広島国際学院高校・通信制課程(広島市)
熊本県:やまと高校(山都町)
宮崎県:小林西高校・通信制課程(小林市)


【公立通信制高校】2校
山形県:庄内総合高校(鶴岡南高校通信制と庄内工業高校定時制が統合)
山口県:山口松風館高校(山口高校通信制課程は募集停止)


少子化で学校統廃合が行われるなかで、なぜ通信制高校が新設されるかの一つの答えが先にあげた既存全日制では対応できないので通信制をその受け皿として新設する例のなかにあるように思います。
言葉を換えて言うと、一人ひとりの状況を優先するのなら通信制に有用性があります。

時間の使い方を自分用にカスタマイズできることが最近の通信制高校のメリットになっています。居場所や学年、時間の制約が少ないのです。
通学形態も、私立通信制高校のサテライト施設が全国に約2,900か所もできたおかげで全日制のように毎日通うことも、通学日数を選ぶことも、年間数日登校ですますことも、多くの通信制高校でできるようになりました。
さらに言えば、“午後から”など時間帯を選ぶこともできます。この部分は定時制と同様のことができると言えるかもしれません。

学ぶ内容はいわゆる必修科目は同じですが、それにしても生徒全員が同じ内容を一律のペースで進むのとは異なり、多様な内容を多様なペースで学ぶことができます。
基礎から学び直すことも、発展的な内容(例えば大学受験に対応した)に挑戦することもできます。このあたりの対応は、ICT活用によって基礎も、発展もともにレベルが上がって来たように思います。

一人ひとりの持つ限りある時間を自分のために最適化できる通信制高校のしくみの良さを具体的な形にしたのが新設校の開校につながっているのだと思います。

今回は、「少子化なのに、なぜ新設!?」についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回は、「これが新設校の“工夫”」についてご説明します。
次回もよろしくお願いします!