「気になりますね！通信制高校」
新設校インタビュー
ヒューマンキャンパスのぞみ高等学校 校長 重栖 聡司（おもす さとし）さん③
2022年7月15日
◇◇新設校インタビュー：ヒューマンキャンパスのぞみ高等学校
校長 重栖 聡司（おもす さとし）さん③
◎得意が自分を支えてくれる
通信制高校に限らないことですが、高校生とか中学生とかが「私は得意なものがある」という考え方がその生徒の高校生活や将来をものすごく支えてくれることだと思うんです。
ですから、のぞみ高校が実践している専門教育はそれだけをやるのでなく、それがあるからちゃんとした高校の勉強もできる。今までだったら「私はできない…」と。だけど、この専門分野が自分にはあるから、それをやりながら、気持ちを鼓舞して高校教育もちゃんと受けたいんだという生徒がものすごくいるんじゃないかと思います。
得意があることは、自分を支えてくれるんです。特に通信制に通う子どもたちの支えになると思います。「興味がある」だけでもいいんです。興味があって、好きでのめり込んでいく。これも得意の中に入れていいと思うんです。これがその後の高校3年間、あるいは卒業後の次の生活を絶対に支えていくと思うんです。これは普通科高校で、普通に教科だけを学んでいった人ではなかなかできないことだと思います。
◎地域と一緒につくっていく高校
地域の方々からは、のぞみ高校が来てよかったねと言われることをやっていきたいと思います。
のぞみ高校が校舎として利活用する旧西陵中学は、茂原市のなかでは新興住宅地にあたる住民の方々がつくった学校なんです。その方々が小学校、中学校と頑張ってつくって来た思いを知っていました。そんな地域から学校がなくなるのはたいへんなことなので、やはり校名などを大事に守るようにと要望があるのかと思っていたのですが違いました。自治会の皆さんが一緒に新しい学校をつくりましょうと言ってくれたんです。
せっかくこの地にのぞみ高校ができるのだったら、私たち自治会と一緒になって新しい学校としてつくっていきましょうと賛同してもらいました。ですから、何があっても自治会の皆さんと相談しながら、自治会の皆さんと一緒につくっている学校なんだという運営をしたいと思います。
◎固定概念があることを忘れずに
のぞみ高校の教員の皆さんには、これをやらなかったら私が校長をやる価値がないと思うことがあります。
のぞみ高校は全国に学習センターがあり、今の時代ですから教職員がメールを使っていろいろなことをやりとりしています。そのような中でも、例えば非言語活動、表情でもって対面で議論する場がないのは、私は職員室ではなく学校の教員集団とは言えないと考えています。
メールやzoomだけでやりとりするのでなく、直接、自分たちが職員室の一カ所に集まって、声を挙げて議論するということがなかったら、私は職員室、教員組織じゃないと思うのです。何があっても、とにかく議論をする。議論がない職員集団には、危機管理もできないと思います。議論した結果であれば、法的なミスがなければ、校長は大体それを受け入れます。アドバイスはしますが受け入れます。それぐらい議論というのはものすごく強いんです。
管理職の皆さんにしても、いいことも悪いこともいろいろなことを経験を積んでくると、しっかりとした考え方はできるかもしれません。その一方で固定概念もできてしまいます。それは、経験を積めば積むほどです。その固定概念だけで学校運営を判断すると危険があります。
私自身も立派な校長の椅子を用意してもらいましたが、その椅子には自分の固定概念が付いているのを気づかずに座っている校長になってしまったら、これはもう校長としては失敗でしょう。
管理職の皆さんにも、自分にはもしかしたら何か固定概念が付いているかもしれない、それを思える管理職になってもらいたいと思っています。
【School Data】
ヒューマンキャンパスのぞみ高等学校
〒297-0065 千葉県茂原市緑ヶ丘1-53
学校法人佐藤学園による2校目の広域通信制高校。姉妹校のヒューマンキャンパス高等学校同様にマンガ・イラスト、声優・タレント、メイク、eスポーツ、英会話、韓国語、AI大学進学など40以上の専門分野をプロ講師から学ぶことができる。創立理念は「通いたくなる学びの場の創造」。
今回は、今年4月に新しく開校したヒューマンキャンパスのぞみ高等学校の重栖聡司校長に開校への思いをうかがいました。いかがだったでしょうか？
次回からは新シリーズ「“学ぶ場所”の位置付けがかわり始めた」についてご説明します。
新シリーズもよろしくお願いします！