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「気になりますね!通信制高校」
通信制生徒大幅増って、なんでだろ?①
通信制高校人気にはワケがある

 2022年12月16日
 

◇◇「通信制生徒大幅増って、なんでだろ?」(3回連載)
第1回 通信制高校人気にはワケがある

今回から新シリーズ「通信制生徒大幅増って、なんでだろ?」を3回にわたってご説明します。
“過去最高”生徒数の更新が続いている通信制高校ですが、その背景には1校1校の地道で、かつときに挑戦的な学校づくりがあるようです。そのあたりの実情を各校の動きを交えてご説明していきます。


◎私立校は約8割で生徒増

学びリンクが全国の公立・私立通信制高校264校の生徒数を調べたところ、多くの学校で生徒増となっていました。2022年度の通信制高校生徒数が約23万8千人と前年度から約2万人と大幅増となったことを反映しています。

21年度から生徒増となったのは、私立高校では22年度開校13校などを除く集計対象173校中134校と、77.5%で増加しました。
公立高校でも今年度は、76校中40校・52.6%と半数以上で前年度比生徒増となっています。22年度は20年ぶりに公立高校全体で生徒増となりましたが、それを裏付けています。

私立高校では、過去3年間生徒増となっている高校も約3割(19年度以降開校162校中53校)となっています。公立校でも16%にあたる12校が3年連続生徒増となっています。

私立高校では、“1万人高校”が22年度に5校となりました(※同一法人による複数校開設を「1校(グループ)」として集約)。
生徒数1万人を超えたのは、N高校グループ(N高校、S高校)、鹿島学園高校グループ(鹿島学園高校、鹿島朝日高校、鹿島山北高校)、飛鳥未来高校グループ(飛鳥未来高校、飛鳥未来きずな高校)、クラーク記念国際高校、屋久島おおぞら高校の5校です。
この規模の学校が同時に存在するのは通信制高校制度が始まって以来のことで、通信制高校を選ぶ生徒がいかに増加しているかわかります。

1万人規模と言っても、通信制高校の場合はその生徒が数十か所のサテライト施設に分散しているため、各校とも1か所あたりはそれほど大規模にならないのが特徴です。どのサテライト施設も自分に合った規模で選ぶことができます。

◎生徒増にはワケがある

22年度に前年度30%以上と大幅生徒増となった私立高校が3校あります。これらの高校の活動が通信制高校への人気の高まりに反映しているかもしれません。

30%以上生徒増となったのは、ルネサンス高校グループ(ルネサンス高校、ルネサンス豊田高校、ルネサンス大阪高校)、精華学園高校、勇志国際高校の3校です。

ルネサンス高校グループは、通信制の人気コースとなっているeスポーツコースを19年4月に国内で初めて梅田eスポーツキャンパス(大阪市北区)として開設しました。来春新設する池袋キャンパス(東京都豊島区)はeスポーツコースの全国で7番目の拠点となります。

ルネサンス高校eスポーツコースは、eスポーツ、語学、心理学等の一流の講師陣を揃えている点も評価されているようです。中学生を対象としたeスポーツ&プログラミング教室の「ルネ中等部」も開講しており、中等部からはほとんどの生徒がルネサンス高校へ“内部進学”しています。
「うちの子はゲームばかりやっている」とあまりよく見られなかった視点をある意味逆転しつつあると言えるかもしれません。

精華学園高校は50校近い提携校に安定して生徒が集まっているようです。同校の提携校は、その場所でスクーリングなどの教育活動ができるのが特徴になっています。
時間と場所の制約が少なく、生徒の都合に合わせて時間や学習内容を組み立てられるメリットが受けています。

勇志国際高校は、22年度新設の宮崎学習センター(宮崎県宮崎市)に多くの生徒が集まりました。見方によっては、通信制があまり浸透していない地域への開設です。これも、通信制高校に対する全国的なニーズを反映しているかもしれません。
また、同校の場合は各学習センター(熊本、福岡、千葉など)で、日常的に行われてきた清掃活動などのボランティア活動が地域で評判になっていることも影響しているでしょう。これまでの地道な活動が評価されています。


今回は、『通信制高校人気にはワケがある』についてご説明しました。いかがだったでしょうか?

次回は「学習内容から見る人気校」についてご説明します。次回もよろしくお願いします!