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新着情報

【非公開※過去のもの】クラーク記念国際高等学校 / CLARK SMART

2020年08月09日

「eスポーツは教育か?」オンラインで有識者が講演(東京都・通信制高校)

 

クラーク記念国際高校が8月8日(土)、次世代型教育のあり方を考えるオンラインフォーラムを開催。「eスポーツは教育か?」をテーマに、有識者を集めた講演を行いました。

 

フォーラムは来年度4月に同校が新たに開校する「CLARK NEXT Tokyo」(東京都板橋区)を記念して実施。同キャンパスはテクノロジー教育に特化した校舎として「eスポーツコース」「ゲーム/アプリコース」「ロボティクスコース」が設置予定で、10階建て独立校舎を所有し、2階フロアには専用のeスポーツアリーナも完備されます。

 

 

【北米の取組み】

この日は、北米教育eスポーツ連盟、慶應大学所属eスポーツサークルTitanZz、株式会社RIZeST、クラーク記念国際高校eスポーツコースの関係者がそれぞれの立場でeスポーツを活用した教育の可能性について講じました。

 

米国カリフォルニア州を拠点にeスポーツを通じた教育機会の開発・提供を行う北米教育eスポーツ連盟の内藤裕志さんは、先行する米国の取組事例を紹介。米国ではすでにeスポーツが学習・教育上の効果的ツールとして認知が広がっており、教育委員会とも連携した取組事例があります。連盟が開発したカリキュラム等を導入する学校は現在、全米で48州・900校以上。国外でもカナダやメキシコでの導入事例があります。

 

 

内藤さんは連盟が行った学生のeスポーツ実施前後の学習効果を測ったリサーチ結果を紹介。事前に予測された論理的思考の育成に反して、社会的感情学習が高く養われていたとしました。これは、eスポーツを通して対人スキル、特に目標を達成するために周囲とコミュニケーションを図り合意形成をしながら進めていく力が養われたことになると言います。

 

連盟ではこうした根拠も交えながら、今後は日本国内でも、eスポーツを通したカリキュラム編成やクラブ活動の支援等も実施していくとしました。

 

【大学のeスポーツ事情】

慶應義塾大学のeスポーツサークル「TitanZz」のメンバーで、現在クラーク記念国際高校で学生講師も務める高橋玄さんと井上山太さんは、日本の大学におけるeスポーツ事例について紹介。現在、日本には115以上の同好会やサークルが存在し、国内の大学の7校に1校がeスポーツに関連したサークルを持っていると説明しました。

 

 

大学のeスポーツ事情については、人気プロリーグの一つである「リーグ・オブ・レジェンド ジャパン・リーグ(LJL)」において、過去に10名以上が大学在学中にプロ選手として活躍していた事例を紹介。また、プロ選手に限らず、現在人気を集める有名実況者なども大学在学中にデビューしているとしました。

 

【高校eスポーツの教育効果】

クラーク記念記念国際高校のeスポーツコース責任者の笹原圭一さんは、高校生におけるeスポーツの教育効果を紹介。同校では「人材育成」と「社会貢献」の2つを柱にeスポーツを実践しているとし、プロゲーマーとして活躍できるのは一握りの存在であることから、動画編集やイベント企画等ができる人材も含めてコース内で育成しているとしました。

 

 

また、同校eスポーツコースは地域や外部企業からの連携、スポンサードもあり、生徒たちは産業を巻き込んだ取り組みの中で、自分たちが地域にどのように貢献できるか考える機会になっていると話しました。特に、eスポーツのマイナスイメージを払拭するために、自分たちの行動や成長が日本のeスポーツの将来を決めているという自覚を持たせていると説明しました。

 

【企業から見たeスポーツ教育の価値】

eスポーツの競技設計から大会運営、放送事業までeスポーツの制作全般を担う株式会社RIZeSTの古澤明仁さんは、企業が教育に参入しようとする背景を説明。eスポーツがオリンピックの正式種目になる未来も近い現状で、教育分野でもプログラミングやダンスが小学校の必須科目になることなど10年前には想像できたなかったことと同じように、eスポーツが義務教育の中に編成されるのではないかと予測。すでに世界的にはeスポーツの教育効果が学会等で実証されており、日本でも経済産業省が2025年には3000億円規模の市場を見出しているとしました。

 

 

しかし、古澤さんは、飛躍的なスピードで発展していく一方で、eスポーツを体験できる場が少ないなど、機会供給が圧倒的に不足している現状を指摘。特に人口減少が進む地方は大きな危機感を募らせており、ノウハウもないといった課題が残ります。将来的にはイベント企画から運営まで含めたeスポーツの制作全般が各地域内で内製化できるようになることが必要不可欠だとしました。そのため、古澤さんは今後、自社のノウハウをできるかぎり各地域に提供していきたいと話しました。

 

 

研究機関、実践者、教員、企業というそれぞれの立場から、eスポーツがどのように教育的価値を創出しているのかがわかる貴重か機会となりました。共通して論じられていたのは、eスポーツは単にプレイするだけでなく、企画や運営、編集、実況、英語などプレイヤー以外に様々な場面で活躍機会があり、様々な分野や産業を巻き込んでいる点でした。「次世代型教育のあり方」を考えるうえで重要なテーマであるとともに、まだまだ想像もつかない未来がeスポーツを通して広がっていく予感が持てるフォーラムとなりました。

 

なお、今フォーラムは第2回目の開催も決定。次回は9月12日(土)で、「ロボットが教育にやってくる」をテーマに実施されることが発表され、CLARK NEXT Tokyo名誉学長で東京大学名誉教授の佐藤知正さんの講演も予定されています。

 

 

 

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