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2022年03月22日

新しい学校の会が1,600人通信制高校卒業生調査を実施

☆初の複数校による本格的な卒業後進路調査☆

 

新しい学校の会(桃井隆良理事長、略称:新学会)は、通信制高校卒業生約1,600人の卒業後2年後、7年後の進路状況アンケート調査を実施し、このほど開かれた同会教育シンポジウムで発表しました。

 

アンケートに協力したのは、同会加盟通信制高校13校。複数校による本格的な卒業後進路調査は初めてとなります。

 

 卒業時の状況を「進学(留学含む)」「就職」「進路未定」3分類として、卒業後2年後、7年後の現在までの経過をたどっています。有効回答数は、卒業2年後卒業生1,045人、卒業7年後卒業生580人で、合計1,625人。調査期間は2021年12月1日から22年2月14日でした。

 

今回のアンケート調査結果と、文部科学省がまとめている2021年度学校基本調査と比較すると、①卒業時の進学率(大学、専門学校、留学)はアンケート調査の方が高く(卒業後2年後60.5%、7年後59.6%、学校基本調査46.7%、以下同じ)、②就職率は低く(17.1%、19.8%、20.5%)、③進路未定率は低く(22.4%、20.5%、32.8%)―なっています。

アンケート調査対象者の卒業時進路の比重が「進学」にシフトしている様子がわかります。

 

今回の調査結果からは、①通信制高校卒業後に進学した人のなかで退学率が高くなっているが、なかでも4年制大学進学者の退学率が高い、②就職した人は7年後までに退職率が約44%となっているが、その後は転職など社会参画の方向にある人が多い、③卒業時進路未定だった人は、その後多様な進路に分かれるが、「何もしていない」という層が一定の割合で存在し、卒業後7年後にこの状態だと自らを「ニート」「無職」など否定的に捉えている。母校に「就職サポート」を望む声もあったーーなどと卒業後の経過が読み取れます。

 

また、新学会では今回の調査結果をふまえて各校での卒業生調査実施・継続の必要性が高いのではないかと指摘しています。

 卒業時の進学、就職、進路未定ならびに調査全体に対するまとめは次の通りとなっています。

 

【卒業時「進学」・調査結果のまとめ】

卒業時進学者は、その後退学する者が2年後までに約12%、7年後までに約21%と大学・専門学校の平均値に比べると高くなっています。さらに、専門学校より大学進学者の中退率が高いものと推測されます。

 

大学選択時にミスマッチがあるのではないかとも推察されます。退学理由には、体調不良・療養中とする者が多く、ミスマッチの環境で我慢し続けた背景もあるのではないかと思われます。母校に「メンタル面の相談窓口」を期待する声もありました。

 

【卒業時「就職」・調査結果のまとめ】

卒業時「就職」の卒業生は、その後2年後までに約25%、7年後までに約44%が退職していますが、この層は転職・復職に動く傾向にあります。「何もしていない」層の比率は相対的に低く、前向きな姿勢がうかがえます。早くから社会でもまれていることで、後輩にあたる在校生に身につけてほしいことを母校に要望する人もいます。

 

【卒業時「進路未定」・調査結果のまとめ】

卒業時「進路未定」の卒業生は、その後「何もしていない」層が一定の割合で存在し、長引く様子があります。卒業後7年後にこの状態だと自らを「ニート」「無職」など否定的に捉えています。母校に「就職サポート」を望む声もあります。「何もしていない」という状態を長引かせないためには、キャリア形成支援があることが望ましいと思われます。

 

【調査結果・全体のまとめ】

各校での卒業生調査実施・継続の必要性が高いのではないかと思われます。

今回のアンケート調査にあたっては、すでに6年間にわたって卒業生動向調査を実施してきた第一学院高校の事例を参考にして実施しました。同校では、卒業生動向調査を通じて、卒業生と在校生をネットワーク化した「チームD1」や保護者の全国ネットワーク「保護者ピアサポーター」という組織につなげるなどたいへん高い効果をあげています。

 

今回の卒業生調査は、新しい学校の会内では初めてという学校が多かったものの卒業生の実情を俯瞰することができました。Web調査でも傾向を把握できるという指摘もあり、調査の実施・継続と関連する卒業生とのつながりの構築を期待します。