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2019年01月19日

「不登校は誰の責任?」木村素也さん講演(神奈川県大和市)

 

神奈川県大和市教育委員会は1月19日(土)、平成30年度「不登校を考えるフォーラム」を開催し、『不登校支援の輪をつなげよう』(発行:学びリンク)の著者で、福岡県で不登校保護者の会「ぼちぼちの会」を運営する木村素也さんが講演を行いました。

 

大和市では学校教育基本計画重点施策として毎年いじめや不登校をテーマにフォーラムが実施されおり、市内の保護者、教員、支援者などが集まります。

 

講演を行った木村素也さんは福岡県福岡市立中学校に38年間勤務し、在職中の2000年から現在まで市内で不登校生の保護者会を運営しています。この日は「学術的にではなく実践者の立場として」、約90分にわたる講演を行いました。

 

 

木村さんは前置きとして「不登校を問題と捉えるかどうかで認識の違い出る」と指摘。問題視することで多くの大人が不登校を「解決させよう」とし、そのための原因探しに時間が割かれていると話します。不登校は一つの現象であり、その理由は子どもによって様々。問題視して解決を図るのではなく、不登校であることで被っている個々の「不利益」を補い、解消させてあげることが大切な支援だと話します。

 

「不利益」には、勉強の遅れや他人と接する機会の減少などもありますが、多くは本人よりも周囲の理解や意識による問題が状態をより深刻化させているとのこと。例えば将来の不安をあおるような言葉や思い込み、過度な期待などが、本人の意図とは関係なく自己肯定感を下げていたり、「自分は何もできない」と思い込ませてしまっていると話します。「大人は将来のことを考えているが、子どもは今しか考えられない。そこに意識の差が生まれる」と、子どもと大人の意識の違いについても解説しました。

 

 

家族や教員など、周囲に自分の気持ちを理解してもらえないことから子どもの孤立化が始まると言います。その中で「まずは安心できる場所と人、情報が必要。しかし、まずは子どもと支援者に信頼関係がなければ、どんなに良いことを言っても通じない」と話します。

 

近年、スクールカウンセラーや医療機関など、不登校に関わる様々な専門機関がある中、木村さんは「不登校はどこで起こっているのか。それは学校の中なのだから、本来、不登校の専門家は学校の先生でなければいけない」と話しました。「不登校は誰の責任でもない。しかし、不登校は学校が責任をもって取り組むべき課題だ」と講演を締めくくりました。

 

 

この日、市内の保護者、教員、支援者ら約140名の来場があり、多くの参加者が不登校への理解を深めた様子。第2部では参加者を交えたパネルディスカッションも実施され、実際に不登校の子どもをもつ保護者や、不登校生徒を対応する教員からも意見が出ました。

 

木村素也さんの著書はコチラ

不登校支援の輪をつなげよう
〜「不登校生の保護者会」を通して学んだこと〜