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不登校は親も変わるチャンス

本人の発達特性の一つであるADHDの場合は、事を焦ってしまう傾向がありますから同じ状況に置かれたとしても、だいじょうぶな感じを持てないこともあります。ADHDは、いわゆるアスペルガー症候群、自閉症スペクトラム症候群を合併することが多いので、認知の捉え方が若干異なります。同じ経験をしても自分が受け入れられているとか、みんなと仲良くやっていけそうだとかいう感じがちょっと取りづらいところがあるのです。このためADHDの方は叱られてしまうことが多いです。家族の方もどうしても叱ってしまうということで、『だいじょうぶ感』が育ちづらい面があります。

家庭で『だいじょうぶ感』が減る場合もあります。家族が安定していないと、『だいじょうぶ感』を与えられないのです。親がバタバタと焦っていたり、日々生活にすごく困難を感じていたりすると、その状態を子どもがダイレクトに見ていて、その姿が自分の将来の一部だと思い込みます。子どもにとっては一番近い未来像の一つとなるのです。

親も日々働いていたり、子育てをやっていたりしますから余裕がなくなりがちです。親に余裕があって、その中でお子さんが『だいじょうぶ感』をなくしていることはあまりないと思います。不登校状態は、親子両方で『だいじょうぶ感』をなくしていることが多いようなが気がしますね。

不登校は、親も変わるチャンスとなる面もあります。例えば、不登校改善のために「入院治療」を行うことも重要な手段になることがあります。不登校が長期化すると昼夜逆転、ゲーム依存の状態などが生じてきて、子ども自身の状態の悪化を招くので、それを是正するために一時的に規則正しい生活をしてもらいながら、検査・治療などを進めることが基本になります。

しかし、入院治療することの大切な側面は、子どもが入院している間に、「家族の安定化」を集中的に図ることにあります。つまり、子どもだけ変わっても、そのまま自宅に戻れば元の木阿弥となります。一時的に離れることで、お互いの存在を見つめ直す期間にすることや、家族内での問題点を解決する方策をとることが功を奏します。



不登校の背景に起立性調節障害の多さ

私は初診も担当しているので、いろいろな病気の方がみえるのですが、その中に朝起きられないとか、それこそ不登校をなんとかしてくださいという「主訴:不登校」という人も増えています。以前は、主訴「不登校」で紹介が回ってくることはあり得ないことでした。

小児科外来の中で不登校の子をずっと診続けること自体が、良くないことだというイメージが以前はありました。それは小児科医の仕事ではなく、教育者だったり、カウンセラーだったりの仕事であって、医者はそんなことをしないほうがいいという風潮がつい最近まであったと思います。

例えば起立性調節障害には治療のガイドラインがありますが、不登校はその子にとってどう見たらいいのかというガイドラインがありません。いろいろな側面を考えないといけません。ある意味、不登校対応は個々の例に応じて、手探りな面を持ちつつ診療を行っています。

ただ不登校という状態になっている子について、私が診ている子の95%以上は起立性調節障害の範疇にあてはまる状況です。最初に起立性調節障害がひどくて単純に登校ができないという身体的な面が強い方もあれば、他の面で行けなくなって、ずっと家にいて段々と起立性調節障害になってしまうこともあります。成長期ということもあり、そもそも成長期に起立性調節障害が出やすいのでそれに絡んでいる面もあると思います。

診断結果により臨床心理士にお任せする部分もときにはあるのですが、心理的な疾患ではなく、教育も含めてとか、進路とかになってくると、ちょっと大袈裟ですけど人生観みたいなものが大事ですよね。不登校の対応には、そういうある程度の社会経験が必要になります。私もそれなりに年齢を重ねてきましたので、いろいろ経験させてもらって人生いろいろだよという話もできます。不登校状態の子も共通しているのはみんな学校に行きたいんです。だから私自身の経験から時間の使い方とか、どうすると記憶力が良くなるとか、どうせやるならこうやってやりましょうと本人と話します。それで元気がでて、頑張ってくれている子もいます。不登校対応は、“学習指導”も含めてありとあらゆることをやっているようなものです(笑)。

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