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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』①
お子さんと保護者の気持ちの整え方

 2022年4月15日

 


私自身は不登校、ひきこもりから抜けられたのは30歳をすぎた頃でした。
約8年間は完全に部屋から出られない。お風呂にもほとんど入れないような日々を送っていました。部屋のベッドで小さくなって1日を過ごしていると社会も家のリビングでさえ遠い世界のように感じました。家の玄関の鍵をガチャガチャする音を聞くと全身が固まってしまったようになり、太陽の光が差し込んでくると「普通に外出できない自分」を責める毎日でした。「迷惑をかけるだけの存在は必要ないのではないか?」ずっとそんなことを考えて、ただ生きていました。
新学期も始まり、無事に通えるようになったお子さんもうまくスタートを切れなかったお子さんもいると思います。あるいは昨年度に進路を決めることすら難しかったご家庭もあると思います。
どんな4月であったとしても元当事者の私が気になるのは「今日、お子さんが心から笑っている」かどうかです。
「学校が楽しいと思えて笑顔で通っている」「今年は自分自身を整えると決めたから1年遅れても大丈夫だ!と笑っている」どちらでも良いと思います。心が折れていない限り、人生は徐々に明るい方向に向かっていくと思います。

でももし、お子さんが魂が抜けたようになっていたり、目に涙を浮かべていたとしたら、、、それをこれから何年か続けるのはあまりにつらいです。私は「魂を殺せば学校にだっていける」と言いながら大学を卒業しました。そして、うつ病になって倒れました。気がついたら自分の気持ちが感じられない。何をする気にもなれない。人生は苦痛でしかない。そんなふうに思うようになっていました。

そして、保護者の皆さんはどうでしょうか?
心の底から笑えていますか?

ひとりになって、ホッとすると涙が止まらなくなる。夜中に心配で目が覚めてしまう。そういう方も少なくありません。毎晩不安になってメッセージを送ってくださる方がたくさんいます。 居場所としての学校が見つかること。お子さんが再び、学校に通い始めること。 それはとても喜ばしい、値千金の第一歩です。
願わくばさらにその先にある「自分の人生はこれでいいんだ」と親子で笑えるようにお手伝いできたら良いなと思っています。

「ああ!この人は完全に不登校の経験から抜けたんだな」と思える人は「不登校があったからこそ、、、」という言葉をよく使います。「不登校があったからこそ親子関係が良くなった」「不登校になったからこそ人生のテーマが決まった」「信頼できる友達や大人と巡り会えた」「社会に流されるのではなく、自分の時間を生きられるようになった」・・・

お子さんが自信を持って、笑顔で学校に通えるようにご一緒させていただけたらと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。