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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』27
部屋の換気をするタイミング

 2023年6月15日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

梅雨の時期はいつも以上に掃除や換気に気をつけたいところですよね。
ゴミが置きっぱなしになっている床や結露などで湿ったカーテン、敷きっぱなしの布団などにカビが生えたりするとその部屋で過ごしているだけでもお子さんの体が心配になります。実際にそれがきっかけでアレルギー症状や呼吸器の問題を引き起こすこともあります。

そう考えると「掃除をしたい」「換気をしたい」と思ってしまいますよね。

親子の関係によっては
掃除どころか部屋に入ることもままならないこともあります。

部屋に転がっているゴミはお子さんにとっては非常に重要でセンシティブな個人情報かもしれません。「こういう雑誌を読んでいるんだ」「こういう食生活をしているんだ」「こういうグッズが好きなんだ」…もし自分が捨てたゴミが全部チェックされているとしたら私たちも息苦しさを感じるかもしれません。

お子さんとの関係性によりますが
「掃除」や「換気」などはそれができる環境を整えることから始めるとうまくいくことがあります。ある日、大きなビニール袋を渡して、「ペットボトルだけこれに入れて!」「ゴミ全部ぐちゃぐちゃでいいから入れて」というとやってくれるかもしれません。そこからいきなり掃除に行くのではなく、その日はそれで終わりにしておくとネガティブなイメージが少なくてすみます。1週間に1回、あるいは1ヶ月に1回のペースでそのゴミ出しだけをやる。それは良いきっかけにつな がります。
頼み方にも工夫をすることができるかもしれません。
「この袋にゴミを全部入れたいのだけれど、自分でやる?やってよい?」と2択にするのです。
2択ですから「(自分で)捨てる」「(親が)捨てる」のどちらかになり、いずれにしてもゴミを捨てる流れになります。
お子さんの気持ちのタイミングを見計らって、楽しい雰囲気で、「今がチャンス」という流れでできる規模でやってみると良いと思います。

(もちろんあいさつも難しいというようなご家庭の場合には「今年の掃除は諦める」ということが必要な場合もあります)

掃除をする側からしたら一気に全部やってしまいたいところですが、分割して分割して、1回の作業が5分以内に収まるようにすると成功率が上がります。そして、少しだけ乗ってきた時に追加で何かの作業を足すのではなく、作業を続けるのを禁止するような方向で終了するのがおすすめです。「はい!終わり終わり!ゲームに戻ってください!」のような感じですね。

「換気」についても タイミングがあります。部屋の構造などにもよりますが、リビングなどの風通しをよくした上で お子さんの部屋の窓を少し開けてもらうだけでも良いと思います。ここで重要なのは「いつ」話しかけるかです。ゲームの最中?朝起きた瞬間?その辺りのタイミングではうまくいかなさそうですよね。でも、1日の中でコミュニケーションが盛り上がった瞬間やお部屋の窓に触った瞬間、暇そうにしている瞬間などは成功率が上がりそうです。

「換気」をテーマにお子さんの心の揺れを観察して、「いつ切り出したら良いか?」を見極める練習はとても重要だと思います。「換気」の提案ができないのに「進路」の提案は難しいですからね。その意味でもまずは部屋の「風通し」をよくする提案をする練習をぜひしてみてください。

お子さんの健康を気遣って、「換気を提案する」モチベーションを高めるのは良いですが、こちらの持論を展開してうんざりさせないようにサラッと「その窓開けて」くらいで言えると良いですね。

梅雨の時期のひとつのミッションにしていただけたらと思います。