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状態の変化に一喜一憂しない 親は常に「平静を保つ」

大内 「この療法は効きますか?」という問い合わせを頂くこともありますが、私たちは絶対に「これが効きます」も「それはやめとき」も言えません。思いがけなく効いて体調が良くなったりする場合もあるのかもしれないと思うと、否定も肯定もできないんです。ODのタイプもいろいろありますし、症状が人それぞれ本当に違うので、これをすればODは絶対に全員治る、というものではないと思います。


星島 ODは原因も治療も人それぞれで、いろいろ試してみるのはいいのですが、それでしんどい子どもを引きずり回してないですかと。本当に重要なタイミングで子どもが不信感を持っていたら、必要な場所に行けないこともあるのではないでしょうか。基本的に自然軽快が期待できる疾患で、焦らずに待つことが必要だと専門医はおっしゃっています。


大内 「ODが治る」というのは、それぞれでイメージが違うと思うんです。朝も起きられ、 しんどさもなくなり、何もかもなくなった状態が「治る」かもしれませんが、例えばお医者さんが「もう病院来なくていいよ」と言うのは、自分のしんどさに折り合いをつけながら日常生活を送れることでもあるんです。

進級や進学、環境が変わったときなど、症状が軽くなり、ODが治ったかに見えたけれど一時的なものだった、という場合もあります。治ったと思って無理をしてまた体調を崩すこともありますので、軽快しているときもゆったりとマイペースで調整しながら日常生活を送れたら、と思います。


星島 田中英高先生が親の配慮として「3つの言葉」だとおっしゃるんですね。「そうなのね」「あなたの気持ちはわかるよ」「それから?」。子どもが何かを発信したときに、親は余計なことは言わず、その3つの言葉を言えばいいと。

子どもに対する親の態度は大きく分けて、「怒る」、「褒める」、「平静を保つ」の3つだと言うんです。その中で、怒るのはよくないし、じゃあ何もできずに寝ている子を褒めるのは子どもにも嘘だとわかる。すると、「そうなのね」、「あなたの気持ちはわかるよ」「それから?」で平静を保つ。

学校に行けたからと大喜びして、次の日も行けるものと親が思い込み、はりきってお弁 当を作って、でも結局次の日子どもは学校を休み、親が落胆する。子どもはますます罪悪感に苛まれる。こういう悪循環に陥るのではなく、学校へ行けた日も、「今日はよかったね」 で終わり。明日はまた新しい一日で、一喜一憂しないということです。


大内 以前は全く知られていなかったODが、少しずつ知られるようになってきました。単に「朝起きられないだけの病気」ではないことを理解する人がもっと増えて、ODっ子とそのご家族が少しでも楽に過ごせたら、と思います。

現在、Snowの運営メンバーは5名いますが、みんな仕事も持ち、家事や介護もしながら、使命感のようなものを持ってボランティアでSnowに携わっています。阿吽の呼吸で連携 できるメンバーとのこの場所が、私にとっても大切にしたいものであることも確かです。



関連文献

起立性調節障害(OD)家族の会~Snow~
HP:https://www4.hp-ez.com/hp/yukkuriikou-snow
E-mail:yukkuri-150-od-snow@hotmail.co.jp

「ODを聴こう・話そうの集まり」
活動場所:大阪府八尾市、豊中市
日程:月2回 13時~16時程度
参 加 費:300円(子ども100円)

◆学びリンク主催「通信制高校・サポート校 合同相談会」内の「起立性調節障害相談コーナー」で相談員として協力(主に大阪、兵庫、京都での開催)

▶【起立性調節障害(OD)に対応する通信制高校はコチラ】

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