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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』13
子どもにぴったりの学校がいえるか?(学校選びの前にするべきこと)

 2022年10月14日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

保護者の皆さんのカウンセリングをしていると相談内容には2つの方向性があることがわかります。
それは「お子さんを観察しているか」「学校などを調べているか」です。
お子さんを観察しているご家庭ではお子さんの生活状況や好き嫌い、性格などの情報が多く、「このような状況ですがどんな学校が良いでしょうか?」となります。

一方で学校をよく調べているご質問では「我が子は不登校です」とひとことあった上で、「○高校はこういう条件」「△高校はこういう制度がある」という情報が多く、「どの学校を選んだら良いでしょうか?」となります。

「お子さんを観察」しているご家庭ではお子さんの好きな食べ物やゲームの種類や遊び方まで詳しく知っていて、その傾向などを細かく伝えてくれます。そのため、名前を隠して、好き嫌いや遊び方を見ても「それに該当するのは1人しかいない」と言い当てられるような詳細な情報を教えてもらえます。つまり、お子さんのことがよくわかります。
そこまでわかればあとはそんなお子さんにぴったりな学校を探せば良いことになります。

「学校を調べている」ご家庭ではお子さんの好き嫌いやゲームなどもよくわからないことが多いです。そうなると「スマホばっかりやっている中学3年生にぴったりな学校はどこでしょうか?」のような感じになってしまいます。この条件に合致する中学3年生は数十万人単位でいますよね。
これではぴったりな学校を選ぶことはできません。

学校選びは「賃貸マンション選び」に似ています。

不動産屋さんに行って、「なんかいい物件ないっすか?」と聞いたところでどの物件を提案して良いかわからないとなります。
「○○駅から5分以内で」「家賃の予算は5万円まで」「バストイレ別」「オートロック」のように伝えると「該当する物件は5つあります」とようやく絞れます。条件を厳しくしすぎれば「新宿駅徒歩1分以内」「家賃2万円」「5階以上」のような感じになり「該当する物件はありません」となります。

「お子さんにぴったりなのはどんな学校なのか?」
をイメージするにはお子さんの生活の様子や好き嫌いなどを知る必要があります。
その条件を全て把握した上で調べても「それに該当する学校はありません」となる場合もあります。そこからは条件を緩めるための努力が必要になります。

①ピッタリな学校はどんな学校なのか
②どの条件は譲れて、どの条件は譲れないのか


これらが見えてくるとようやく「オススメの学校」がどこか見えてきます。もし、条件を少し減らして妥協したならば入学までの期間に「体力をつける」「勉強をする」などの対策をしてマッチングしなかった条件をクリアしておく必要があります。

通信制高校の合同相談会にはたくさんの保護者、中高生が参加しています。たくさんの学校の説明を聞いて、どうしたら良いかわからなくなる人も少なくありません。自分自身が学校に何を求めているのかが全く見えていないとどれを選んだら良いか判断がつかないのです。
「存在するかわからないけれど、こんなルールでこんな授業でこんな将来が開ける学校があれば行きたいな」というぴったりな学校のイメージをもって、各校の説明を聞いて、より近いものを選ぶ(何を妥協しなくてはいけないかを知る)ことが大事かなと思います。
カウンセリングをしているとお子さんの人物像が全く見えない相談が少なくありません。

進路を決めるには「お子さんの性格や好き嫌い」は非常に重要な情報ですので、日常的によく観察して、(ネガティブな部分ばかりではなく)性格的な特徴を把握できると良いと思います。