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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』29
夏休みの活かし方

 2023年8月2日

カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

夏休みに入りましたね。
不登校になっている子は「今は学校の時間帯だ」「今はお休みの時間帯だ」という「みんなの様子」を気にして、比較していることがよくあります。だからこそ、みんなの活動が停止している深夜や夏休みのような長期休みの間は気持ちが少し楽になります。その目に見えないプレッシャーが軽減されるからです。

そんな夏休みの気持ちが楽な期間にぜひやっておきたいことがあります。
おすすめの3つをご紹介しますのでぜひ参考にしてください。

1)自分自身を好きになれる行動をする
誰のためにというわけではなくても部屋を片付けたり、ちょっとした運動をすると「何かちゃんとやった気がする」というような意味で自分を少しだけ好きになったり、認められることがあります。これはマインクラフトで整地をするとか、難しい音ゲーをクリアするとか、イラストを1つ描き上げるなどでも感じられます。(何にどれくらい感じられるかはお子さんによるのでイラストで必ず上がるわけではありません。お子さんの性格、気持ちの上がり下がりするスイッチをよく観察して探してみてください)

夏休みにはそれなりにまとまった時間がありますから、ギターの演奏ができるようになるとか、筋力をつけるとか、アルバイトをするといった比較的時間を要することも選択肢に入るかもしれません。普段はできないくらいの大規模なゲームの企画をクリアする。あるいはボランティア活動や家のお手伝いなどで「人の役に立ったから自分を認められた」というケースもあります。

学校に行く行かないという2択から離れて、自分が自分を好きになれる時間を過ごすことを試みてみると良いと思います。

2)学校以外の居場所を作る
中高生といえども学校以外に行く場所がないわけではありません。友だちとどこかにでかけたり、マックや図書館で勉強したり、アウトドアを楽しむのが良いかもしれません。学校以外の居場所ができると学校でのアップダウンをその居場所が吸収してくれます。多くの方が不登校の居場所というと福祉や医療的な機関を想像しますが、コンサートやフリーマーケット、アルバイトや習い事、友だちの家など居場所はさまざまです。

自宅と居場所の往復ができていると2学期から学校に行きやすくなったり、落ち込んだ時に手詰まりになりにくいといえます。

3)自分自身をよく知る
アンパンマンの歌に「何が君の幸せ?」「何をして喜ぶ?」という歌詞がありますが、「人生は退屈だ」「この世でやりたいことがない」「自分の居場所がない」と思っている中高生は少なくありません。そう思わせてしまっている周囲の大人の問題はさておき、そのままでは苦しいですよね。

「人生においてこれが楽しいんだ!」というものがあって、それに関連して将来が見えてきます。
参加したくもない人生に役割など見出せるはずがないからです。夏休みの期間中は「英数国」のような枠にハマったジャンルを忘れて「料理」「ダンス」「芸術」「アニメ」など自分自身が人生で関わっていきたいテーマを探してみることをお勧めします。

ダンスを続けられるように知識を身につけたり、健康に気遣ったりする。
その方が意味もわからず勉強をするよりも「人生をちゃんと生きている」といえます。
夏休みの期間中に学校という概念を少し忘れたらどんな「幸せ」「喜び」があるのかが見えてくるかもしれません。それは不登校を解消していくプロセスで非常に重要な要素です。

今回は3つの夏休みの過ごし方をご紹介させていただきました。
お休みの間は気持ちが楽になる。だからと言って怠惰に過ごし過ぎれば未来は見えません。
この3つのポイントを参考にして、ぜひ新たな2学期が始められるようにアレンジしてみてください。