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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』37
不登校対策と恋愛はとても似ている

 2024年2月1日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

カウンセリングをさせていただいているとほぼ毎日「進路の話ができない」という話になります。進路が見えなければ学校選びも難しくなりますし、サポートをするのも難しくなります。だからストレートに「進路どうするの?」と質問します。そして拒否されたとなります。

これを恋愛に例えると
「告白しても断られる」というタイミングに似ています。

「断られる」理由を想像してみてください。
「関係性ができていない」「気持ちが通い合っていない」「不衛生な身なりをしている」「言葉遣いが悪い」「姿勢が悪い」「スマホ依存」「自分の話ばかり」「突然すぎる」「ムードがない」・・・たくさんあるかと思います。

「進路の話ができない」という相談でよく求められるのが「進路の話ができる魔法の言葉はないですか?」というものです。

もし、姿勢が悪くて、スマホばかりいじっていて、爪が汚れで真っ黒な人に「告白で成功する魔法の言葉」を提案するとしたらどんな言葉が良いと思いますか?

そう考えるとまず「美容院に行く」「お風呂に入る」「姿勢を直す」「スマホ依存を改善する」あたりから始めたほうが成功率は上がります。「告白をして検討してもらえる範囲」に入らないと話にならないからです。「魔法の言葉」はそこからですね。

「進路」の話をするには
「楽しく日常会話ができる」「価値観が違っても親子で交流できる」「親のアドバイスを参考にしてくれる」「未来を考える余裕がある」「否定されない安心感がある」というような要素が整って初めて「魔法の言葉」かもしれません。

もし「あいさつしていない」「会話ができないくらい」の距離感であれば「告白」より前にやることがありますね。憧れの店員さんにいきなり告白してうまくいくことは少ないです。

そして「検討してもらえる範囲」に入る関係性ができたらいよいよ上手な「告白」の仕方を考える段階です。

「夜景を見ながら」「美味しいものを食べながら」が良いのか?
「自分の話をたくさんする」「こちらの想いを熱く語る」のが良いのか?
「相手がこうするべきだ」という正論をぶつけながらが良いのか?

綺麗な景色を見ながら、美味しいものを食べながら、相手の話をたくさん聞いて、「あなたの話は?」と聞かれてから「告白」するほうが成功率はあがりそうです。

カウンセリングや講演会で「こうすると良いですよ」という話をすることがありますが、恋愛と同じでそこだけ真似してもうまくいかないことがあります。それはクリアすべきことや工夫すべきことがたくさんあるからです。保護者会という形式で継続して関わり続けられるような場を作っているのは「魔法の言葉」ではなく「魔法の演出」が大事だからです。多くの人の事例を聞いて、「素敵な告白」をするようなイメージで「進路の話」を切り出してみてください。