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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』40
安心して新学期を迎えるためのポイント

 2024年4月2日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

毎年、3月末から4月にかけて、相談数が増えます。

・新学期が近づくにつれて、子どもがイライラするようになってきた
・本当に通えるのか親が心配です
・学校の準備をしないので叱った方が良いでしょうか?


そんな感じです。 そして新学期が始まります。

・たった1日しか行けませんでした。
・元に戻ってしまいましたもうだめです。
・「行けるわけないじゃん」とキレられました。
・学費を払っているのに目の前が真っ暗になりました。


一方で

・無事に通い始められました。マイペースで休んだりしていますが機嫌が良いです。
・予想通り通えませんでしたが、夏までに少しでも前に進めるように頑張ります。
・学校には相変わらず行っていませんが、息子を見ていると大丈夫そうな気がします。


という感想の方もいます。

この差は何だと思いますか?
それは「お子さんを見ているかどうか?」です。お子さんの長所、弱点、今の気持ちなどが良くわかっていれば「我が子は時がくればやれる」という自信もでてきますし、「今の気持ちでここまでできたらすごいことだ」「(学校とはまだ折り合いがつかないが)我が子は人として大丈夫そうだ」という感覚の家は3月末から4月にかけてあまり荒れません。

お子さんのことをしっかり理解しているので学校に行けるかどうかは結果に過ぎないからです。

一方で お子さんのことを見ずに「学校に行くべき」「早く(親が)安心したい」「学費を払ったんだから」という方向に気持ちが行っていると3月末からストレスが増してきます。本来はお子さんと楽 しい時間を過ごして、お子さんのコンディションを整えたい春休みの時期に「勉強しない」「そんなんで学校に通えるの?」とお子さんの気持ちや段取り、見えない努力を無視してお子さんを 傷つけるような発言をしたりします。

不登校は心の問題が大きいです。

「学校に行くべき」「準備をすべき」ということはお子さんもわかっていることをわざわざ言ってテンションを下げることには何もメリットがありません。メリットがあるとすれば親のストレス解消です。その反動で新学期ギリギリに向けて調整しているお子さんに全治10日間のダメージを与えてしまったとしたら、4月中旬までは行けません。そうなると新学期初日に登校できないのでまた怒られます。全治が10日足されて、4月末まで行けません。こうして不登校になっていく子がたくさんいます。

春休みの期間は直接的な勉強、学校について準備するのではなく、そもそも人生は楽しいものだということを思い出せるような関わり、体験をする。自分は生きていていいんだという実感を持てるような体験を増やす。そういった本質的な関わりの時間に当てられると良いと思います。

そして、「我が子は人として大丈夫だ」と思えたら、、、学校と折り合いがついてもつかなくても、、、折り合いがつくのが夏からだとしても安心して人生を共有することができます。

「学校」とは「人生」のための「ツール」です。 「ツール」のために人生が見えなくなっては本末転倒ですから、これを機に人生とは何かを親子で考えてみると良いと思います。場合によっては親もそれを見失っている場合があります。

ぜひ参考にしてみてください。