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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』19
どうしたら勉強をするようになるか?

 2023年2月3日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

今日は「どうしたら勉強するようになるか?」というテーマです。1日1件ほどは「勉強をさ せるにはどうしたら良いか?」「進学が決まったのにゲームばかりで勉強しません」というご相談がきます。

「勉強をさせるにはどうしたら良いか?」
それに向き合うためにはまずその前に「勉強とは何か?」という問いに向き合う必要があります。

保護者が言う場合の「勉強」 先生が言う場合の「勉強」の多くは教室で授業を受けたり、参考書を解いたり、課題をする。
というスタイルの勉強だと思います。あえて「狭義の勉強」と呼びます。

では「広義の勉強」とは?と考えると

・仕事について現場で教わること
・釣り人に釣りを教わること
・TikTokの上手な人を参考にすること
・バイトで接客のコツを掴むこと
・失敗して恥ずかしい思いをすること
・人生の決断をすること
・世界の見方を理解して世界に感謝すること
・うまくいくように試行錯誤を繰り返すこと
・上手な歌手の発声方法を真似すること
・攻略サイトで調べ物をすること
・韓国の推しのために韓国語を学ぶこと
・恋をして切ない思いをすること
・自分自身の内面を見つめて成長すること


どれも「勉強」になります。
そして多くの「勉強」には動機があります。「あの人を喜ばせたい」「周りのみんなを見返し たい」「人気者になりたい」「魚が釣りたい」「魔王を倒したい」

そんな願いを叶えるために人はいろいろな方法で知識やスキルを身につけようとします。それ が「勉強」です。

「勉強」にはコツもあります。

世界史やゲームの攻略のように事実がある程度決まっている場合には調べて理解すれば勉強になります。歌やダンス、体育や音楽のようなものは繰り返し体験することも大事です。コミュニケーションや交渉、恋愛のような勉強はまた質が違います。

「勉強」の学び方にもコツがあります。

大好きな人の名前が「藤田」という名前ならば小学校1年生でも「藤」の字が書けるようになるかもしれません。清水寺で「今年の漢字」を書くように大舞台で大きな文字で書いたら1回で覚える可能性があります。逆にイヤイヤ漢字練習帳に「(藤の字の)くさかんむり」をたくさん書いて、「(藤の字の)月」をたくさん書いて、、、とやっていたとしたら10回20回書いても覚えられません。

大人が「勉強」に習熟していれば自由自在な勉強スタイルで勉強をさせることはできます。実際にお子さんが(ゲームというテーマかもしれないが)調べたり、整理したり、記憶している場面を見ることはあると思います。もし、大人が「大学以来勉強していないな」というような 感じだったら「狭義の勉強」しか知らないかもしれません。

「家で自発的に学ぶのは不登校・受け身で座っていればいいのが登校」
「独学で高度な知識と技術を習得しても『出席』とか『評価』にさらさないと不登校」
「失敗をさせない大人が『動機』を奪うから勉強に必要性を感じない」

これらは中高生の声です。「勉強」をさせよう、、、と考える前に「その勉強の概念狭すぎませんか?」と立ち止まってみると良いかもしれません。お子さんは別の勉強の仕方をすでに始めていることもよくあります。