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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』20
合否よりも大事なものを見逃さない(長嶋茂雄スタイル)

 2023年2月15日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

この時期になると特に中3、高3のお子さんは合格が決まって進路が見えてきたりします。
いきたい学校に入学が決まった。(親が)行かせたい学校に通えることになった。あるいはまだ決まっていないから不安になっている。不合格になってしまった。

本題に入る前に私はふだん、企業の研修やカウンセリングなどもしています。結構多い相談で「『あなたの代わりはいくらでもいる』といって上司が私の人間性、存在を大事にしてくれない」というのがあります。確かに人間性、存在を大事にして「椎名さんはかけがえのない椎名さん」と言われて働きたいですよね。「あなたの代わりのカウンセラーはいくらでもいますから」と言われると切なくなります。

では、なぜ「あなたの代わりはいくらでもいる」と言われてしまうのでしょうか?
「あなたは何者ですか?」とそういう方に尋ねると「大学名」「資格名」「企業名」などを並べます。「私は東京大学出身なんです」(東京大学の出身者は20万人ほどのようです)そういう特徴でその人を理解し採用したとしたら、大袈裟にいうと同じ条件を満たす人は何万人もいるということになります。直訳すると「代わりがいくらでもいる」となってしまいます。
一方で「長嶋茂雄」さんは職業欄に「長嶋茂雄」と書くと言われています。
「巨人の監督」のような言葉をいくら並べても「長嶋茂雄」を説明することはできないからです。そして「巨人の監督」ならば原監督でも藤田監督でも代わりが思い浮かばなくないですが「長嶋茂雄」ができる人は他には絶対にいないですね。

お子さんはかけがえのない自分の人生をやっています。
「長嶋茂雄」は「長嶋茂雄」を極めていけば良いわけで、「椎名雄一」も「椎名雄一」を極めていけば良いのだと思います。(僕はひきこもり経験などを賜ったのでそれを大事に磨いてここまできました。野球の才能はないので、、、
余談ですが椎名雄一を極めるために必要だと思ってやった職業は「SE」「警備員」「荷上げ屋」「ガラス清掃」「講師」「農家」「販売員」「キャンプ場経営」「かき氷屋」「学校経営」「カウンセラー」「建築」「CADオペレーター」などです。資格もたくさん持っていますが全てゴミ箱の中です。「椎名雄一」から滲み出ているものだけに価値があるので、紙はあまり重要ではないと私は思っています)
そういう意味で合格して「椎名雄一」を極めるのと不合格で「椎名雄一」を極めるのは大した差ではないことがわかります。それよりも大事なことは「学校名」などに飲み込まれて「椎名雄一」を見失うことではないでしょうか?

「学校に入れたから安心」「私は○○学校の生徒だ!」よりも大事な「自分はこういうのがたまらなく好きだ」「こういうことは絶対に許せないんだ」「こだわりが強いんだ」そんな個性を我慢して、押し殺して「肩書き」を大事にすることのないように中高生と接したいなと私は思います。(努力の結果が出たことを否定する意味ではありません。念の為)
「合格から始まる人生」も「不合格から始まる人生」も自分自身を形作っていく意味ではどちらも面白味があります。大事なことはその中で自分を見失わないことだと思います。「椎名雄一」のように皆さんにも名前があります。その肩書きが一番価値があることを忘れないでいただきたいなと今回は記事を書きました。他の「学校名」「資格名」などはそれを説明するための飾りです。

合格した人もそうでない人も「学校」を中心に仕分けすればそう、、というだけのことですから「自分の人生の時間」としての2月3月をぜひ充実させてください。