【学びリンク公式SNS】
フォロー/登録よろしくお願いします!

X(旧Twitter)  Instagram  Facebook  YouTube  LINE 

椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』38
「希望が持てる未来を知りたい」という気持ちに答える

 2024年2月16日

 


カウンセリング室の椎名雄一です。
日々皆さんとメッセージのやりとりをさせていただいたり、カウンセリングをする中で気づいたことや傾向などをこのコーナーでお伝えしています。

皆さんはどうにも希望を持てないような状況になった時にどうしますか?

神様にすがるかもしれませんし、ありもしない妄想に心の安定を求めるかもしれません。怪しい宗教や儲け話などが「良いもの」に見えてしまうのもそういう時ですね。

逆に「こうすれば解決できるかもしれない」「これを試してみよう」と未来につながる希望が少しでもあるうちはそれが心の支えになります。でも、それがうまくいかず、作戦を変えてもうまくいかず、工夫してもうまくいかず、我慢してもうまくいかず、、、もう何も思いつかなくなったその先くらいに「(うそでも)希望が持てる未来が欲しい」となる瞬間があります。

学校に行けない期間が続いていると「できる気がしない」「やる気が起きない」という症状がひどくなります。つまり「自分がうまくやれていそうな未来」「うまくいく未来」が描けなくなります。

もし食べ物がない状態になって「賞味期限が切れて3日目のパン」と「見るからに腐っているカビが生えたパン」しかなかったら、、、「賞味期限切れ3日目のパン」を恐る恐る食べますね。そこに希望があるからです。
でも、「カビで形も変わってしまって緑や赤に変色しているパン」が2つあったら「片方に挑戦してみよう」とは思わないでしょう。希望がある選択肢が残っていないからです。

それだけ「未来に可能性が残っているもの」は貴重です。

お子さんが言い訳をしたり、(やりもしないのに)夢を語ったり、わかったかのような顔をする時にはそのアイディアを正論で論破してはいけません。絶望してしまうからです。その先に小さな希望が見えるようにしてあげて欲しいなと思います。

もちろん「そんなこと実現しない」とか「どうせやらないんでしょ」と思うような内容かもしれません。万全な状態ならば誰も「賞味期限3日切れたパン」は食べないですが、それしか食べられそうなものがないのであればそれが希望になります。ダメかもしれないけれどやれることがあることが救いになります。

そうやって命を繋いだ先に誰もが認めることのできるような「やりたいこと」「将来への希望」「夢」が出てくるのではないでしょうか?

その意味でも「希望が持てるような気がすること」には価値があります。
絶望せずにあと少しだけ歩いてみよう、頑張ってみようと動く力になるのです。
そして、
1歩動いてくれれば出口が見えることもあります。
小さな希望がつらなって、出口につながる道を示してくれているのかもしれません。

それは「正論」よりも何倍も価値があります。
ぜひ「希望が見える話を一緒にしてあげてください」
もしも皆さん自身が「希望が見えない」ならば学びリンクカウンセリング室では保護者会(ほごらぼ)を開催していますのでそこにまず仲間を探しにきてください。