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椎名雄一先生コラム『不登校に効く心理学の話』76
祖父母の理解とサポート 〜世代間のギャップを埋めるには〜

 2026年5月28日

 


こんにちは、カウンセリング室の椎名雄一です。

「おじいちゃんやおばあちゃんに相談したら、『甘やかしすぎだ』『そんなのは怠けているだけだ』と言われてしまい、ますます悩んでしまった」...こうした声を、保護者の皆さんからよく聞きます。不登校という問題は、親にとっても初めての経験であり、それを見守る祖父母にとっても戸惑うものです。
特に、子育て観や社会の価値観が大きく違う世代同士では、見解の違いが生まれやすいのです。
今回は、祖父母に不登校を理解してもらうための考え方と、サポートをお願いする時のヒントをお話しします。

祖父母も「心配しているからこそ」
まず理解しておきたいのは、祖父母も子どもや孫のことを心から心配している、ということです。
「学校に行かないのは甘えだ」という言葉の裏には、「このままで将来大丈夫だろうか」という不安が隠れています。
祖父母世代が育った時代は、学校を休むこと自体が「悪いこと」という考えが当たり前でした。
その価値観のまま、孫の不登校に向き合おうとするため、つい厳しい言葉が出てしまうのです。

「今の状況」を伝えてみる
祖父母が不登校を理解できないのは、「子どもがどういう状態にいるのか」を知らないから、と いうケースが多いです。
「怠けているわけではなく、無理をすると体や心が壊れてしまう状態なんだ」「今は安心できる環境で心を回復させることが大事で、それが結果的に元気になる近道なんだ」と、ゆっくりと説明してみてください。

子どもがどうして学校に行けないのかを具体的に伝えたり、医師やカウンセラーのアドバイスを一緒に聞いてもらったりするのも効果的です。第三者の言葉は祖父母の気持ちに届きやすいことがあります。

ただし、生きてきた時代が違いますから100%理解してもらうのは難しいかと思います。
「時代が違うこと」「お願いしたサポートをしてほしいこと」を伝えられると良いですね。

頼めるサポートをお願いする
「理解してくれないから何も頼まない」と思うと保護者の皆さんが孤立しやすくなります。
すべてをわかってもらおうとせずに、「できることだけお願いする」気持ちで接してみてください。

例えば、保護者の皆さんがが少しリフレッシュする時間をつくるために、兄弟姉妹の面倒を見てもらう。あるいは、家事の一部を手伝ってもらうなどです。「おじいちゃんやおばあちゃんができることは本当に助かる」という気持ちを伝えると、祖父母も協力しやすくなります。

孫と祖父母を直接関わらせる時は
祖父母が孫に直接関わる時は、事前に「否定的な言葉を避けてほしい」というお願いをしておくのも大事です。「いろいろ言いたくなる気持ちはわかるけど、今は『大丈夫だよ』『ゆっくりで いいよ』って言ってあげてほしい」
と伝えておくと、お互いに安心して過ごせます。

実際に、祖父母の家でのびのび過ごす時間が、子どもの気分転換になることもあります。

「みんな味方だよ」という空気を
祖父母世代の言葉に傷ついてしまった経験がある方も少なくないでしょう。
しかし、祖父母もまた「どうしたらいいかわからない」という戸惑いの中にいます。
大切なのは、家族の中で「みんなが味方だよ」という安心感をつくることです。
そのために、少しずつ状況を共有し、お願いできることはお願いする。
祖父母が協力的になれば、保護者の皆さんの心も軽くなりますし、子どもも安心できます。

子どもが不安定な時期だからこそ、家族がバラバラになりやすいものです。
祖父母にも寄り添いながら、少しずつギャップを埋め、家族みんなで子どもを支える空気を作っていきましょう。


不登校対策は保護者の「許容量」が試される出来事でもあります。

タイミングが違うけれど大事なことを言っているお父さんや時代が違うけれど本質的には大事なことを指摘している祖父母。立場があって、ある程度以上は介入できない先生方もみんな味方です。否定して対立してしまうとお子さんが回復していく過程で協力してもらいにくくなります。

せめて「タイミングが来たらお願い」のように伝えて、待っていてもらえるようにすると良いですね。一般論ですが、例えば「不登校に慣れてしまって動かない」となっているご家庭ではそろそろお父さんや祖父母の出番かもしれません。子どもは陰陽さまざまな刺激で育ちます。タイミングを選ぶ必要はあっても祖父母の意見も大事なのです。否定せずに協力していけるようにしたいですね。